南紀 徒然な旅(2019/4/11~13)その3
2日目 熊野市(1/2)
7時ごろ起床。支度をして8時ごろ食堂に降りると、捻りのない日本の朝食。旅先では凝ったものになりがちだけど、時にはこういうのもいいかもね?
9時半前にホテルを出て、熊野市駅までは5分程度の道のり。空には分厚い雲が出ていて、辛うじて雨が落ちていない状態かな。天気予報だと、昼ぐらいに好転するそうなんだけど。
井戸川を渡る亀齢橋から上流を眺めると、桜並木の風景を「南紀」がゆっくりと横切って行った。
9時50分発の普通列車(決して「電車」ではない)に乗って、まずは新宮へと向かう。というのも、レンタカー屋さんが熊野市にもなくはないみたいだけど、メジャーなところで安心したい安定志向(笑)なので。そしてこれに乗り遅れると、次は2時間先になる。
この路線を走る列車は、それでも数年前に新しい車両に入れ替えられたそう。総ロングシートは面白くないけれど、結局爆睡したから同じことだな(笑 新宮には10時21分の到着、駅員に起こされる一歩手前だった。
駅レンタカーのカウンターで、妙に丁寧なおじさまの説明を受けて出発。レンタカーって使うたびにその進化に驚かされるんだけど、今日のはルームミラーがデジタルでバックの時とか超便利だった(普通?)
国道に乗って熊野市方に向かうと、風景はすぐ市街地から砂浜沿いのそれに変わる。沿道に2つほどある道の駅はパスしながら、まずは熊野市駅から4つ隣の「聖地」紀伊市木駅へ。数少ない列車がやって来たので、桜の木も絡めてとりあえず撮り鉄。
それにしても、駅前通りからの風景が田舎過ぎて(失礼)すごい! しかし、そんな田園風景を横切って、ここでも国道バイパスの工事が着々と進んでいる。
お腹の状態が怪しくなってきた(定期)ので、さっき通過した「道の駅パーク七里御浜」へ。もはや旅先あるある(>_<) 平日で閑散とした店内で、名産のみかん製品に気を引かれながら、郷土食「めはり寿し」(200円)と、何故かフランクフルト(300円)を購入。
外に出ると、あんなに厚かった雲の隙間から太陽が顔を出してきた。
また少し熊野市方に戻ってから、県道を内陸方面に左折する。市木川沿いを遡る道は、時々開けた集落に出るものの、集落間は1.5車線かそれ以下の山道。それでいて、意外と対向車が来るから困ってしまう。
時折、桜の花びらが路面を彩る素敵な風景にも出合うんだけど、整備は部分的で、平地が途切れるとやっぱり山道に戻ってしまう。
国道の長いトンネルを抜けて、再び狭隘な県道をしばらく上り詰めると、唐突に小さな停車スペースが現われる。反応できず通過したのをバックで戻ると、眼下に広がるは丸山千枚田の風景。段々畑(田圃)マニアとしては、何としても来たかったところ。
さらに少しだけ車を走らせると、県道は千枚田のいちばん上あたりに出る。そこからつづら折れの道を下りると、随所に駐車スペースや散策路があって、たぶん時間があれば一日ここでのんびりできちゃいそう。最高所で標高250m程度ながら、山あいの雰囲気もいい。
この田圃がいつ拓かれたものかは定かでないが、1601年の検地時点で2,240枚ほどあったという。当時は近隣に銅鉱があり、鉱山労働との兼業により運営されていたという。
その後、鉱山の閉鎖による人口流出などで1982年には530枚まで減少したが、保存活動の結果現在は1,340枚ほどに戻ったとのこと。現在も地域の団体を中心に維持されていて、今日も遠くエンジン音を響かせ、田植えをしている姿が見られた。
それにしても、この一枚一枚の小さきことよ!
千枚田からほど近い、入鹿(いるか)の集落へ。熊野市山間部のこのエリアは、2005年まで紀和町、1955年までは入鹿村だったところ。「いるか」という地名も面白いけど、全国的に見ると「山に入った処(ところ)」を意味する言葉ではあるらしい。まさにそんな。
川沿いに田圃が広がる小集落は、熊野市街地から山道を30分はかかる。ここ入鹿八幡宮は1432年からの歴史あるものとのことだけど、来訪者に特にアピールするものもなく、地域のための神社という印象を受ける。おみくじの一つでもあれば引きたかったけど。
7年前は変わりやすい天気に翻弄されたけど、今日もまた空は怪しくなってきた。
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