高千穂 神秘の国へ(2019/9/27~30)その5

3日目 高千穂→熊本(2/3)

さて。昨夜の旅館の部屋についていた「うずめ」とは、日本神話に登場する芸能の女神で、日本最古の踊り子というものらしい。高千穂神社の鳥居の向かいに「アマノウズメ」の像が立っていたりとか、若干アイドル的扱いを受けている様子。

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往きに来た緩い坂を上って、旅館の駐車場で車を回収。この旅のいちばんの目的だった、天岩戸神社へ向かうことにする。じりじりした気候に、停めておいた車の中は夏の日のよう。しかし、道中次第に天候は崩れ、目的地に着くころにはぽつぽつ雨粒が落ちてきた。

岩戸川を挟んで東本宮、西本宮に分かれる天岩戸神社、そこを渡る天岩戸橋には神話にまつわる意匠が施されている。

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西本宮の駐車場に車を入れ、橋を渡って東本宮へ。もともとは西側が「天磐戸大神宮」、東側が「氏神社」という別々の神社で、1970年に現在の形になったという。現在社務所があるのは東本宮で、こちらは参道も「らしく」土産物店等が立ち並んでいる。

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地元信仰の神社とのことで、川沿いに立地するその境内はさほど広くはない。建物自体は比較的新しいようで、一連の社殿は1986年の竣工となっている。拝殿の裏から天岩戸を観覧するツアーが30分毎に組まれているが、事前調査不足のため不参加に終わる(笑

こういうところが自分だなって(笑

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境内を通り抜ける形でいったん国道に出ると、すぐ斜め右に天安河原方面へ降りるコンクリートの歩道が現れる。左の道沿いに駐車されている車の数がものすごいけれど、これは擁壁上の小学校で運動会が行われているため。雨の中、ちょっとかわいそう。

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階段を降り切ると、遊歩道はコンクリートのまま崖下の河原に続いていく。雨で水量が増えていることもあるのか、次第に水面がすぐそこまで近づき、白い飛沫が跳ねるようになってくる。

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渓谷美に油断していた矢先、目の前に現れた巨大な洞窟の迫力に、言葉を失った。

ここが、天岩戸に籠ってしまった天照皇大神をどうしようかと、八百萬神が相談したという天安河原宮。日本史で習ったのか本で読み聴かされたのか、遠い昔の記憶にある神々の絵が現実となって目の前にあることに、凄い、以上の言葉が思いつかない。

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間口40mの洞窟は、ちょうど川の屈曲部に位置しており、また殆どレベル差がないことから、小石の積まれた河原と、そこに向かってくる水の勢いにこの世じゃないものも感じる。ここ天安河原の光景だけでも、高千穂に来てよかったと思えるものだった。

ここはほんと、しばらく動くことができなかった。

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東本宮に戻って御朱印をいただいてから、橋を渡って西本宮へ。天岩戸の観覧所という位置づけだった東本宮に比べ、天照大御神を祀る西本宮が本来の中心的存在だ。しかし、杉林に囲まれた境内に人影はなく、降りしきる雨もあってひっそりと湿った空気が漂う。

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社殿裏からは尾根の中腹に取りつく遊歩道が整備されて、全て根がつながっているという「七本杉」が、間近に見れるようになっている。杉林の向こうには東本宮と集落があるはずだけど、緑に視界が遮られ運動会の声ばかりが山間にこだまする。

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東本宮の入口脇には、高度成長期を感じさせる(笑)ウズメの像が立っている。いやこれ、ボタン押すと音楽とともに動き出すんよね…(笑 時々聞こえてきた謎の歌声はこれだったのかと腹落ち…いやかなりシュールだよ。

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雨は本降りとなり、だんだん時刻も気になるようになってきた。高千穂神社御朱印だけもらった槵触(くしふる)神社は必須として(また順序逆転)、あとどれだけ、高千穂を感じることができるのだろう。


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