山口・熊本・宮崎 足跡をつなぐ旅(2012/12/28~2013/1/1)その2

2日目 岩国→熊本

朝ごはん。

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ホテルを9時半ごろチェックアウト。岩国9時52分発の下関行きに乗車。16年前は錦帯橋だけ見て引き返してしまった山口県だけど、今日は深く、西へと向かう。瀬戸内沿いを走る線路と、それを跨ぐ(周防)大島大橋が、車窓のひとつのハイライト。

今日の目的地は、ずっと行きたかった秋吉台。子供のころ、「航空写真で見る日本列島」みたいな本を持っていて、そこにあった荒涼たる風景が記憶の中に残っている。

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11時57分に新山口着。駅前のニッポンレンタカーで車を借り、秋吉台の入口にある秋芳洞まで20km程度。秋芳洞周辺はあちこちで小遣い稼ぎの100円駐車場が客引きをしていたが、ここは堅実に400円の市営駐車場を利用する性格(笑

駐車場の係のおばさまが「道はわかる?」と聞いてくれて、近道だとか所要時間、そのあとの秋吉台観光まで親切に教えてくれる。教えられたとおり秋芳洞方面へ。道中、土産物屋が立ち並ぶ小路となっているが、時期が時期だからか人影は少ない。

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小路の脇には河童の像が建っており、そこはかと遠野を彷彿とさせる。周囲はいかにも農業を生業とする散村。河童伝説があるところ、それだけの貧しい背景があったのだと認識しているのだけど…。天候に左右される農家の生活は厳しかったろう。

秋吉洞に近づくにつれ山が左手から近づき、それほど大きくはない「厚東川」という河川が小路に寄り添ってくる。しばらくして前方から滝の落ちる轟音が聞こえてくると、そこには驚くような風景があった。

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およそイメージしていた「洞窟」とは次元が違う巨大な縦穴が口を開き、そこからは厚東川となる水が滝となって落ちている。しばしその黒い洞穴と、白い滝、そして青い水の色に圧倒される。想像以上で、言葉もないや。

洞穴に一歩入ってみると、そこはさらなる驚きだった。そこは縦にも横にも広がりを持った、さながらコンサートホールのような空間となっていた。地底河川となった厚東川と染み出す水が作った地下の彫刻は、文字通り見上げるほどだ。

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自然の作った地形でこれほど感動したのも久しぶりだわ。しばし地底人感覚を味わいながら、約1km続く洞内を探索する。しかし冷静に考えると、常に頭上から鍾乳石が襲ってくるような脆い地形を、安全に管理するのも一苦労だろう。

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いつもの病気(笑)で地底川の最上流を確認すべく遡って行くも、最終的に川は道から逸れてしまい、源流を見ることはできない。本当にこの水は、どこからどう流れてここに来ているのか、非常に興味をそそられるのだ。

洞窟を抜けた先の地上は、かつては秋吉台へ上がるロープウェイがあったようだが、今ではすっかり錆ついてしまっている。人影もまばらで、どうやらここは引き返すしかなさそうだ。いきなり場末の観光地へ来た気分。

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行きは40分近くかかった洞窟を、帰りはやや速足で25分で通過。それでもコンサートホールでは立ち止まったし、入口の滝は振り返ってしまった。ところどころ「秋芳町」名義の掲示があったけど、4年も前に美祢市に取りこまれた町名なんだよなぁ。

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駐車場へ戻り、秋吉台方面へは車で行くことにする。旅行前に見た「Yahoo!知恵袋」で、「秋吉台はドライブが最高です」旨の回答が多かったので、駅からレンタカーを使うことにしたのだ。 確かに、バスは本数が少なくて不便そうだ。

秋吉台は日本最大のカルスト台地。見た目のイメージで言うと、箱根仙石原と似てるんだけど、その風景の広がりは北海道並に近い。十勝のじゃがいも畑とか、美瑛の丘とか、それをはじめて見たときの感動と近いものがある。もっと写真の腕があればなぁ(笑

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秋吉台を南北に貫く「秋吉台道路」を、北端付近の大正洞まで。地上を流れる川が、溶食された竪穴に落ちて行く光景はおもしろい。秋吉台の川は、地上も地下も自由に流れ落ちているのだ。こういった水が集まって、秋芳洞のような地下河川となっていくのだろう。

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大正洞は秋芳洞とは違い、身をかがめなければ通れない狭い洞穴が続く。洞内唯一の広場には淵があり、透き通ったシコクヨコエビが生息している。光のない洞窟では、気をつければ特異な進化を遂げた動植物を見つけることができる。

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カルスト台地と、名残惜しい散村の風景に別れを告げ、17時半ごろ新山口に戻る。レンタカーを返却後、駅で「長州さくら弁当」を購入。山口のフグや鯨に鹿児島の黒豚という、旅行者には実に嬉しいお弁当。ただ、殻付きのエビはごめんなさい(苦笑

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新山口18時1分発の「さくら565号」博多行き。車内は満員だけど4列シートは東海道新幹線グリーン車なみの広さがあってゆったりしている。熊本着は19時16分であっという間。本当、新幹線の威力というものを感じるなぁ。

JRの熊本駅はご多分に漏れず市街地から離れているので、駅前から市電に乗って辛島町の「ドーミーイン熊本」にチェックイン。ドーミーインは新進の部類に入るが、基本温泉つきで朝食も充実しており、予約のとき「人気あるなぁ」と感じることが多い。

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極寒の秋吉台で、「なつみかんソフト」を食べた。案外さっぱりしてておいしかっよ。湿疹がひどいころだったから、今見ると親指が痛々しいねぇ(笑


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