岩手・遠野 普通の田舎の特別な旅(2014/12/29~2015/1/1)その3

2日目 盛岡→遠野(2/2)

進路はこの階段の先、地底湖から比高35mの「三原峠」に向けられた…。

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龍泉洞は全体的に、この階段も含め足元はよく整備されている。木製の踏み板はしっかりしており、カンカンと乾いた足音と、時折りコウモリの羽ばたく音だけが洞内に響く。

三原峠自体には何もなく、その先の「展望台」から、空洞をとおして第一地底湖を見下ろすことができる。立体的な探索路を持った鍾乳洞というのも珍しく、この視点は面白い。

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通路はやがてらせん状の階段を一気に下り、往路の平坦な通路に合流する。それにしても、入り組んだ洞内にこれだけの通路を作る根性というか何というか…まぁ長い歴史の中で、多少の洞内改変はあったと思うけど。

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様々な自然の彫刻を眺めながら、来た道を出口へと引き返す。「デートスポット」を標榜する龍泉洞だけに、確かにこのへんはテーマパークにいるような妙な気分…(笑

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水路上の木道を渡り、久しぶりに外の光を見た時の安堵感ってば…(笑

水路状の窪みは洞窟を出ると橋をくぐり、小本川支流の清水川まで続いているものの、面白いことに豊富な地下水に対し地上に全く水の姿はない。水は出口の手前でさらに地下へと潜り、清水川をくぐり抜けて対岸の「龍泉新洞」内に湧き出しているという。

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その龍泉新洞は1967年に龍泉洞内工事の際発見されたもので、現在一部が自然の鍾乳洞を体験できる「科学館」として開放されている。今回は時間がなかったというか、現地で存在すら気づかなかったというのが正直なとこなんだけど…(笑

出入口に設置された温度計は4.8度を示す一方、洞内にあった温度計は10.3度で、季節を問わず10度程度に保たれているとのこと。

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時計も15時をまわり、北向きの斜面はすっかり夕暮れの様相を呈してきた。ここから二つの峠を越えて、105km離れた今日の目的地、遠野を目指す。

岩泉を出た国道はしばらく整備された2車線道路として続くが、盛岡方面を分岐するとすぐに峠越えの隘路に変わる。時折岩泉線廃線跡が並行するが、代替道路がこの状況で廃止に踏み切れるのは、いかにこの区間の流動が小さいかを物語っているようだ。

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ヘアピンカーブを繰り返す国道は、次第に幅員を減じすれ違い困難な1車線道路へと姿を変える。切り立った断崖のガードレールは45度に倒れ、あぁこれがいわゆる「酷道」というものなんだなと、妙な納得を覚える…(笑

茂市で一旦平坦となった国道は、今度は遠野盆地へ向けた峠越えに入る。完全に日の落ちた真っ白な峠道を抜け、17時を過ぎたころようやく宿泊先の「あえりあ遠野」に到着する。

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夕食を18時半で予約したものの、お腹が空きすぎていたため「どんぐりパン」をひとつ失敬…。18時から語り部による「昔話の夕べ」が始まるため、あまり休む間もなく館内3階の「語り部ホール」へと移動する。

今日の語り部さんは比較的若年層というのかな…? 東北弁を適宜標準語で補足しながら話してくれるんだけど、それがかえってわかりづらい気がしなくもない(笑 主要な物語は解説つきの冊子が配られるので、一応それで意味はわかるようになっている。

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物語が予定の18時半を10分ほど押したため、そのまま1階のレストラン「銀杏」に下りて夕食タイム。とりあえず、遠野の地酒「国華の薫」1合を熱燗でオーダーする。すっきりしていてクセのない、飲みやすいお酒。

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今回の宿泊は「南部御膳付プラン」。ほどなくして、箪笥に入った料理が運ばれてくる。

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この箪笥という着想は、その昔南部の殿様が、箪笥に酒や料理を入れて花見をしたという話から。中身は田舎料理だけど、お品書きがないので以下淡々と写真を張り付けていく…。

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遠野が養殖生産日本一という、ヤマメの塩焼き。骨まで食べられるほど軟らかい。

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締めのお食事は混ぜご飯とひっつみ汁で。

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部屋のテレビの電源が入らないという多少のドタバタもありつつ、23時半ごろ貸切り状態の大浴場へ。温泉でないのが残念ではあるんだけど、この大浴場をはじめとした館内の清潔さもここの大きな魅力のひとつと思う。

その後、部屋で日記を書いたりテレビを見たりのんびりして、25時ごろ就寝。明日は一年締めの大晦日、どうかいい日になりますように…。


タイムスケジュール(2日目)
9:00~9:30 朝食
9:55 チェックアウト
10:50~12:15 盛岡→道の駅三田貝分校
12:20~12:40 昼食
13:15~13:40 道の駅三田貝分校→旧岩泉駅
14:00~14:15 旧岩泉駅龍泉洞
15:05~17:15 龍泉洞→宿泊先
17:20 チェックイン「あえりあ遠野」
18:00~18:40 「昔話の夕べ」
18:45~20:00 夕食「銀杏」


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