岩手・遠野 普通の田舎の特別な旅(2014/12/29~2015/1/1)その2

2日目 盛岡→遠野(1/2)

7時起床。9時前にレストランに降りて、バイキングの朝食。ちょっとメインのおかずのプレートが寂しいかなぁ、あとパンもお皿も小さい(笑 わさび焼売がこのホテルのチャームポイントで、意外にわさびの風味がしっかり利いていておいしいのだ。

イメージ 1

10時チェックアウト。今日の盛岡は、時々晴れ間が見える薄曇り。駅前のニッポンレンタカーで車を借りたあと、盛岡駅で落し物捜索をした関係で11時ごろに遅れて出発。一昨年の5月と同様、国道455号に乗って東へと向かう。

しばらくは国道らしい片側2車線の道をすいすいと行くが、いつしか車線は減り、人家は途切れ、山道になるととにも風景も白く変わっていく…。

イメージ 2

盛岡市旧玉山村の、藪川集落。本州で最も寒さが厳しいと言われるこの地区だけど、ご多分に漏れず過疎化が進み、2009年度末の藪川小学校閉校時の在籍者はわずか2名だったと言う。そんな集落を貫く国道は、これ以上除雪される雰囲気もなく…。

イメージ 3

道路は再び山道に入ると、早坂峠の直下を3km余の外山トンネルで一気に抜ける。トンネルを抜けるとともに天気も変わり、少し山を下りた「道の駅三田貝分校」に到着するころには路面の雪も減り、時折り強い日差しが照りつけるようになった。

外気温はマイナス3度から0度付近をうろうろしているものの、風がないためかそこまで寒い感じはしない。

イメージ 4

道の駅三田貝分校は、1998年度末に閉校となった門小学校三田貝分校の跡地に、当時の建物を模して2007年に開設された。売店を「購買部」と呼ぶなど徹底的に学校ナイズされており、まずはそのうちレストラン…ではなく「給食室」を訪問する。

いや、給食室は作るところであって、食べるところではない気もするが…(笑

イメージ 5

ちょっと時間が早いかなぁと思いつつも、「短角牛焼肉ラーメン」(930円)をオーダー。この時期で地方だと食いっぱぐれる危険性が多々あるため、食べられるところで食べておくというのが、これまでの経験で得たところ。

イメージ 6

名産のどんぐりを練りこんで茶色っぽい麺と、とろみのある中華風スープが特徴のラーメン。悲しいかな、焼肉とラーメンが全然合っていない…(笑

イメージ 7

購買部にて、物産をいろいろと。旅行中の非常食として「岩泉どんぐりパン」、モンドセレクション金賞受賞の「龍泉洞の水」、あとフラワーリースは昨年買ったものがだいぶ枯れてきたので代わりとして。時期が悪かったのか、だいぶ花弁の落ちた見本品しか残ってなかったけど。

イメージ 8

天気は一変し雪が舞い落ちる中、小本川沿いをさらに東へと向かう。20分ほど走って岩泉の市街地に着いたころには、また青空となり道路端からも雪はほとんどなくなっていた。

昨年の訪問時にはまだ岩泉「駅」だった、岩泉観光センターを再訪。立派な駅舎に変わりはないものの、観光センターは「土日祝閉鎖」というやる気のなさ…。裏手のホームは残されているが、こひつじが記念撮影した駅名板は空しくワクだけになっていた。

イメージ 9

1972年に開業した岩泉駅は、2010年の土砂災害の影響で以降「列車の来ない駅」となっていた。その後JRから廃止の提案がなされ、この4月1日をもってバス転換されている。

駅から川向こうの国道までを結ぶ県道岩泉停車場線は、今でも駅前通りの風情を残している。正面の宇霊羅山のふもとに集落が広がり、その中に岩泉小学校体育館のカマボコ屋根も見える。石灰岩からなる山容は険しく、植生はいかにも貧しい。

イメージ 10

岩泉駅をあとに、「日本三大鍾乳洞」のひとつ龍泉洞へ向かう。宇霊羅山を回り込んで北側のふもとへと、車だと10分弱の道のり。昨年は駐車場待ちの車列に嫌気が差しスルーしたものの、今日は数台の乗用車を認める程度で閑散としている。

窓口で1,000円を支払って入洞、何やら周辺温泉施設の割引券がついてきた。

イメージ 11

「三大鍾乳洞」とは山口県秋芳洞高知県の龍河洞を指し、ここ龍泉洞は多数の地底湖をはじめとした美しさが特徴だとか。秋芳洞のような空間的な広がりはなく、水路に沿った細長い探索路が奥へと続いている。

イメージ 12

入口付近は「摩天楼」或いは「百間廊下」と名付けられ、地下水路の直上に桟道状の通路がかかる。地下水路は「玉響の滝」が最上流となっており、この先はサイフォンとなり地底湖までつながっている。

この滝の音を最後に、洞内は静寂に包まれる。

イメージ 13

カラフルにライトアップされた通路を進むと、その先に水深30m台の第一、第二地底湖が現れる。青色のスペーシーな雰囲気ではあるが、ただ洞内のイメージづくりは照明効果によるところが大きく、実際の岩肌を見たい向きにはうるさいと思う。

写真は穏やかな雰囲気が演出される第二地底湖。

イメージ 14

観光客が立ち入れる最奥部にある第三地底湖は水深98mを誇り、水の透明度も高い龍泉洞のハイライト。入口から約700mの距離があるが、非公開範囲も含めた龍泉洞の総延長は5kmにも及ぶと言われている。

イメージ 15

今日は何やら潜水調査中だったが、1968年に発生した潜水事故以来の停滞もあって、洞窟の全体像は未だに把握できていないという。

イメージ 16

観光客はここで引き返すことになるが、帰路は180mの高低差を持つ龍泉洞らしい起伏に富んだ、いわゆる「健脚向け」コースが用意されている。さっそく目の前に、らせん状に上る200段超の階段が立ちはだかった…。


次の記事


この旅の記録


岩泉関連の過去記事