長瀞・宝登山 蝋梅と青空の旅、再び(2016/2/11)

だーいぶ出遅れた。

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遅れを取り戻すべく、11時52分所沢発のレッドアロー「ちちぶ13号」に乗車。この時期、この時間なだけあって、乗車率は2~3割程度。それも入間市、飯能と人を減らし、方向転換に乗じボックス席独り占め態勢に。

実はこのアルフォートが朝ごはんなのだ…(汗

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正丸トンネルを抜けると、車窓はまだまだ雪が残る世界。氷柱の期間中ということで芦ヶ久保に臨時停車のあと、横瀬川が作った難所「滝の枕」を渡らずの橋で乗り越える。並行する国道も、こうして見ると山を削り谷を埋めものすごいところを走っている。

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西武秩父到着は12時48分。帰りの特急券を買ったあと、食いっぱぐれ防止に秩父名物わらじかつと豚肉味噌漬の「ミックス弁当」(800円)を購入する。駅前の観光案内所の頭越しには、青い空に白く化粧した武甲山の姿がくっきりと…。まぁ、もともと石灰で白いんだが。

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御花畑から秩父鉄道に乗り換えて、13時41分長瀞到着。窓口に3月6日まで限定の「ロウバイ鑑賞記念乗車券」(620円)があったので、デザインがあれだけど(笑)記念に入手。このほか立て看やらフラッグやら、秩父鉄道はやたらと「桜沢みなの」づいている。

下山してきたのであろうハイカーで賑わう駅前は、絵に描いたような田舎駅の趣き。

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昨年と同日の旅路ながら、行動が1時間ほど遅い。夕暮れ待ったなしの中、駅前から続く参道を宝登山へ向かって歩き出す。青空ながら雪も多く残り、うすら寒さのある長瀞の町。道沿いのおしゃれなカフェやレストランを眺めながら、ゆるい坂を上っていく。

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昨年2時間待ちだったロープウェイには目もくれず、登山路に徒歩で登頂を目指す。しかし予想はしていたものの雪解け水の泥濘がひどく、間違っても転ばないよう一歩ずつ慎重に足を進める。なまじ車道兼用なだけに、斜面を直登しないのもがまたもどかしい。

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あまり見通しの効かない林間の道ではあるが、時に長瀞アルプスの山々や長瀞市街を見渡せる展望スポットが用意されている。標高500m程度の山ではあるんだけど、自分の足で得た風景っていうのはやっぱりいい。

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小動物公園の入口を通り過ぎると、山頂まではあとわずか。登山路を真っ直ぐ行けばロウバイ園だけど、まずは右手に折れ急な階段を息を切らせながら上る。

階段を上り切り鳥居をくぐるとそこは、木々に覆われた宝登山神社奥宮の境内。まずは花より団子とばかり、老婆の営む古びた茶店秩父名物みそおでん(300円)と甘酒(200円)を購入する。それにしても、甘酒がコーヒーカップで出てくるとは予想外だった(笑

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昨年の時点で朽ちていたベンチが、放置されながらまた一年の齢を刻んでいた。おっかなびっくり座ったそこは、ロウバイ園越しに長瀞の町を眺める特等席。

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茶店にお皿とコーヒーカップを返してから、ようやく奥宮へお参りに。明るく華やいだ周囲の雰囲気とは対照的に、薄暗い境内には神聖な趣きを感じる。

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そんな奥宮のすぐ裏が宝登山の山頂で、ロウバイ園はその少し下の斜面に広がっている。さぁ黄色い世界に、足を踏み入れてみようか。

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昨年は時期が早くパラパラだったロウバイ園だけれど、今年は見ごろを迎えていた。花に囲まれた散策路を歩くと、ロウバイ特有の強く甘い香りに包まれる…。

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名前のとおり、ロウ細工のようなこの質感。

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こんな季節に、こんなにも花をつけるものなんて。

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ロウバイはもともと唐の国からやってきたもので、ウメの仲間じゃないってことは今年はじめて知った。そう言われれば、中国の水墨画にでも出てきそうな感はある。

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カレンダー用の写真もゲット(笑

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長瀞の町からは、こちらの風景はやっぱり黄色く見えるのかな…。

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ファインダー越しの景色に違和感があるのは、きっと地面まで青空が繋がっていること。

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下山するロープウェイも並んでる風だったので、日の落ちかけた登山路を引き返すことに。とは言え足元の泥濘は下りのほうが神経を使い、靴を泥だらけにしながら慎重にルートを選んでいく。これはもしや、ロープウェイに人を誘導するための策略か…(笑

日が傾くにつれ、気温もだいぶ落ちてきた。

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麓の宝登山神社まで下りたころには、時計の針は17時を回っていた。参道の「茶店八兵衛」にて、秩父産そば粉を使ったたい焼きを買い食い。小倉あん(210円)に秩父味噌餡(260円)。カリッとした歯ごたえの皮に、濃厚な味噌餡が閉じ込められている。

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一旦駅を通り過ぎ、長瀞渓谷へ。昨年より2時間ぐらい遅く、昼間は賑わう飲食やお土産品の通りからはすっかり人がはけていた。こうしていると、過疎の町のシャッター商店街に来たような不思議な気分に襲われる。

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薄暗くなった長瀞渓谷は、時間がないので写真一枚で失礼…。

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17時37分発の三峰口行きに乗って、御花畑到着は夕闇の迫った18時2分。それでもだいぶ日が延びた実感があって、クリスマスを越えると日々近づく春の気配が嬉しいもの。

西武秩父駅に併設された「仲見世通り」は、来春開業の温泉整備とあわせリニューアル工事中だった。「あの花」の秘密基地をはじめ、多くの店がシャッターを下ろしがらーんと。営業していた改札近くの売店で用を済ます。

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帰りは18時25分発の「ちちぶ44号」。この時期の特急が混まないのは昨年経験済みで、多少のグループ客の姿はあるものの、2~3割程度の乗車率で夜闇をひっそりと走っていく。途中所沢で乗り換えて、清瀬までは1時間ちょっとの道のり。

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20時前に帰宅すると、さっそく秩父での戦利品を開封…。

定番となった「秩父プリン」は、9種類ほどもある中から「楓」「柚」「桜」(各250円)を選択。秩父産の原材料を使っているとのことで、プリンとゼリーを足したような食感は意外だけれどおいしい。日持ちもするので、今ならお土産はこれ一択だなぁ。

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青空と花の時期に恵まれた、今年の「秩父さんぽ旅」でした。


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