長瀞・宝登山 蝋梅と雪解けの空中散歩(2018/2/11)その2(終)
宝登山のロウバイ園は東と西の2園あって、公式だと東園が3~4分咲き、西園が見頃とのこと。今年は開花が遅れているとのことだけど、東園も蕾がふくらんでいて、間もなく訪れる春を感じさせるには十分だ。
ロウバイは中国原産の落葉樹で、江戸時代に朝鮮から持ち込まれ、以降観賞用として栽培されてきたもの。品種によって、12月から2月ごろに花をつける。
学名のキモナンサスはそのまんま「冬の花」という意味で、寒い時期に咲く希少種としての存在感が表われている。俳句の世界においても、冬の季語として使われる。
今日は一気に開花が進みそうな陽射しの中、風に漂うは近年一番の甘ったるい香り。
花言葉は「愛情」「慈しみ」「慈愛」「先見」「先導」「優しい心」「ゆかしさ」など。白茶けた冬景色の中で、人々はこの花に小さな温かみを感じてきたんだろう。
時刻は16時前。傾いた日差しが山陰に遮られる前に、後ろ髪を引かれながらも山を下りることにする。ロープウェイの列は相変わらず長いけど、ぬかるみのハイキング道路は下山のほうがこわいのでね…。
山頂駅からずらっと続く行列は、40~50分程度の待ち時間。日が沈むにつれ気温は劇的に落ち、冷たい風にフードを被り対策する観光客が増えてくる。中でも駅前は完全なふきっさらしとなっており、春山遭難する人の気持ちがリアルにわかったというか…。
復路はもう1台のゴンドラ「バンビ」号で、山麓駅へ。駅を一歩出ると時刻は16時半ながら、参道は店も閉まってすっかり夕方モード。この時間帯って、ゆっくり時が流れてる気がしてなんか好き。
とはいえ、風が吹きすさぶ盆地の夕暮れは…寒い!(笑 駆け足気味に駅まで辿り着くと、こんどの電車まで20分というまぁまぁのタイミングだった。盆地の日の入りって、ほんと早いよなぁ…。
「ロウバイ鑑賞記念乗車券」(470円)を買いながら、10分前にホームに上がるとそこは極寒の地…(笑 やってきた3両の電車に逃げ込んで、御花畑到着は17時32分。再び急ぎ足で西武秩父駅に辿り着くと、そこは夕暮れの武甲山と「祭りの湯」という、新旧スターの競演。
往きに予約しておいた特急は既に満席で、これは来年以降、この時期も増発があるかもしれない。
発車までの40分ほど、食レポは外せないため(笑)祭りの湯フードコートに席を確保。早く出てきそうな「秩父味噌チャーシュー麺」(980円)をオーダー、香ばしさの漂うスープはしっぱりとおいしい。
それから、時間の許す限りお土産を物色。さすがというかようやくというか、「あの花」色はだいぶ薄れた印象。酒屋(立ち飲みあり)、普通にお土産屋、それに駅売店とそれぞれ分かれていて、買うのはちょっとめんどくさい。目当ての「岩魚すし」は完売しており、やっぱり観光客の数が例年とは違う。
18時25分発「ちちぶ44号」は、2駅目の芦ヶ久保で席が埋まった。1時間後の特急も「残席わずか」だったけど、「祭りの湯」施設ができて待ち時間も苦にならなくなっただろう。これが「祭りの湯」への意図的な誘導なのかどうかは、来年の対応を見ればわかるかな…(笑
途中旅客接触の影響があって、3分遅れで所沢駅到着。往復8時間の小旅行。都心にも自然にもアクセスのいい西武池袋沿線は、もうちょっと評価されていいと思う。
悩んだわりにお土産はこれだけ…。秩父ワインは自宅用、「ここさけ手作りクッキー」(900円)は職場のアニメ好きなお姉さんにプレゼントしようと(笑 特大ステッカーのほか、クッキー自体も「ここさけ」のストーリーを意識したタマゴ形になっていて、思ったよりも考えられたいい商品だった(笑
そして、毎年大きく方向性が変わる、ロウバイ鑑賞記念乗車券。梅の形の硬券というのは、それなりに凝ってると思う。年に一度の長瀞旅なんだけど、この一年本当にあっという間で…。
いろいろと、余裕を取り戻したい。
この旅の記録
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