長瀞・宝登山 蝋梅と雪解けの空中散歩(2018/2/11)その1
この真っ黒な山。10日前の雪が、まだこんなに残ってる。
例年、この時期の特急が混むことはなかったんだけど、所沢まで出てみると入間市以遠は満席とのこと。祭の湯、三峯神社、あしがくぼ氷柱あたりの宣伝が成功したか、昨夜のうちに予約しておいて正解だった。
特急「ちちぶ11号」に乗車。家に転がっていた「ほろよい」を持ってきたので、午前中ということも忘れてアルコール注入(笑 秩父方面が盛り上がってるのは喜ばしいことだけど、相席がいると過度に気を遣っちゃう性格なのが恨めしい。まぁお互い様かもだが。
芦ヶ久保で2~3割乗客を減らしてから、11時48分、列車は西武秩父に到着する。
時刻を調べずに来るのが悪いんだけど、徒歩8分の秩父鉄道御花畑駅から、こんど発車する電車は6分後、その次はなんと58分後だと! 空いた時間で昼食を…と思うも、フードコートは満席で時間も心配だ。ということで、カウンターでお弁当を買って外で食べることに。こういう選択肢は多いほどいい。
秩父鉄道御花畑駅も、例年にくらべ混雑はしていたものの、2両編成の電車に乗ってみればドア横に立ち客が出る程度。田舎びた町並みを眺めていると、20分ほどで電車は長瀞に到着する。
1911年、「宝登山駅」として開業した当時の本屋が残る駅。
「晴れときどき雨」の予報だったけれど、とりあえず青空からは暖かな日差しが降り注ぐ。ただ、時折り吹く風はけっこう強く、日陰にいるとめちゃくちゃ寒い。すでに13時を回って出遅れ気味なため、脇目もふらず宝登神社の参道を上っていく。
舗装された道は神社前で途切れ、恐れていたハイキングロードは案の定ぐっちゃぐちゃ…。例年日陰はぬかるんでいるんだけど、今年は降ったばかりとあって入口からこんな様子。徒歩での登頂は即座に断念し、ロープウェイに並ぶ選択はきっと正しかったと思う。
窓口で往復券(820円)を買って並んだ列は、40~50分待ちというからピークに比べればマシなのかな。7分間隔でピストン運行するゴンドラは、1961年の開業からのもので「関東最古」という。駅舎も当時の木造建築で、「レジャーブーム」って言葉がなんだか浮かんでくる。
改札をくぐり、強制的記念撮影(上った先で販売される、1,100円)を潜り抜けると、2台あるゴンドラのうち「もんきー」号がいよいよ山麓駅に迫ってきた。
山麓から山頂までは、わずか5分ほどの空中散歩。係員が乗り込んで、肉声の案内が入るところも昭和っぽい。そして到着した山頂駅は…やっぱり歩いてきたときに比べ感動は薄いかな(笑 ロウバイ園方面には一旦背を向け、宝登山神社奥宮への道を選ぶ。
急な石段を慎重に上がり辿り着いた奥宮は、人は多いものの昼なお暗き落ち着いた空間。ぬかるみを極めた足元に気を払いながら、今年もおばあちゃんが営む売店でくるみ味噌おでん(200円)と甘酒(300円)を購入。焚火されたベンチに腰掛け、甘酒の暖かさにほっと一息。
ここ宝登山神社奥宮は、山頂から少し下りた木立の中にある。切り立った東側斜面は光に照らされ、鳥居を境に陰と陽の世界を描く。
そしてロウバイ園として開かれた南側は、遠く正面に武甲山を望んで…。
もうここまで、甘い香りが漂ってくる。さぁ、黄色い世界に踏み出していこう。
次の記事
この旅の記録
長瀞関連の過去記事