道東 台風と秋の旅(2018/9/27~30)その3

2日目 根室→網走(1/3)

6時半ごろ起床。西から近づく台風の影響を受けて、根室の朝は雨混じりのどんより空。

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準備を整えて、8時半前に1階の朝食会場へ。朝食9時まで、ラストオーダー8時半というホテルが確かに多いんだけど、朝苦手な自分としては少し慌ただしい。

バイキングは素朴ながら、北海道や地元にこだわったメニューで全部欲しくなる。海鮮貝殻焼き、ジンギスカン、朝カレー、おかゆ…この時点で何かおかしい(笑 海鮮って苦手なんだけど、旅先ではなんか食べちゃうな。

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中でも満足だったのは、北海道産米に9種のネタを好きに選べる「勝手丼」。高価なネタがあるわけじゃないけど、地元産の昆布醤油を含め満足度としてはるごく高い。

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10時前にチェックアウト。雨粒を避けるように車に乗り込み、まずは目星をつけていた明治公園へ。根室ディスる気はないけれど(笑、調べてみてもあまり市街地に見どころはない印象。ただ、細長い半島に立地した町である分、どこからでも海が近い。

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そして行きたかった場所、日本最東端の東根室駅へ。釧路方からやってくる根室本線は、南側の高台から市街地へ回り込んでくるため、根室駅ひとつ手前のここが最東端となっている。駅名標が一部書き換えられているが、これは隣の花咲駅が2年前に廃止されたため。

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駅の周囲に住宅はあるものの、快速が通過するため発着する列車は1日僅か5往復。いかにも貧弱なレールと板張りのホームは、北海道の鉄道の現状を表しているようでつらい。

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次第に雨が上がり、雲の間から太陽が顔を覗かすようになった。これはいい写真が撮れるかもと、先ほどの明治公園へ再度足を運ぶこととする。

この明治公園は、1875年に北海道内で2番目の牧場として開場した根室牧畜場の跡地を整備したもの。園内ではたくさんのイチイが実を付けているけれど、そもそも根室は樹齢400年の古木をはじめとする「イチイ純林」があるところ。

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そしてこの公園のシンボルとなっているのが、芝生の広場に立つ3つのサイロ。右奥の第二サイロが1932年築と最も古く、第一、第三も1936年築と80年以上の歴史を持つ。赤く塗られたこけしのような、鉄板葺きのドーム屋根がかわいらしい。

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駐車場に戻り車に乗り込むと、針路を根室半島の最東端、納沙布岬へと向ける。

市街地から最東端へと向かう道は、北回りと南回りの2ルートが選べる。根室半島の地形は南側が切り立っているため、段丘上から鳥瞰したいなら南回り、海抜レベルの目線でオホーツクの海と牧場が展開する風景を楽しみたいなら北回り、と言ったところか。

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悠然と草を食む牛の中には、わざわざフェンスから顔を出して、道路脇の草刈りをする子がいたり…。牧場と道路との境目が曖昧な、このおおらかさが良いね。

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北方四島が眼前に迫る、納沙布公園までは40分ほどの道のり。あたりには営業してるかもわからないくたびれた展望台とか、なんか似たような施設が並んでいる。展望台から根室半島の地形を見たかったりもしたけど、先の予定があるからまぁいいかな。

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写真だとあまりわからないけど、いちばん近い歯舞諸島貝殻島までわずか3.7kmの距離。手が届くような距離に民間人の自由な渡航ができない島があるとか、現地に来てみないとなかなか実感が湧かないことではある。

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納沙布岬灯台は、ずんぐりとしたかわいらしいフォルム(と帰ってから気づいた)。駐車場からは少しばかり離れていて、風も強いからいいかなと、ズーム目に狙って終わりにしたのは勿体なかったかな。まぁ岬なんて、どこも同じって言われればそうかもだから(笑

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復路は往きとは違い、根室半島を南回りで。海岸沿いの段丘を緩やかに上下する快走路は、北海道ではありふれた風景。こちらの海岸線は、思ったよりも住宅が多い。

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「日本一早い」夕暮れの時間が気になるので、寄り道はせずに目的地に向かう。朝食べすぎたため、あまり昼という気分にならないってのもある(笑 根室市街を抜け風連湖を回り込んで、厚床パイロット国道を右折。

しばらくすると、オホーツク海が右手に寄り添ってくる。

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県道を野付半島に右折すると、訪れるのも3度目とあって慣れたもの。両側に海が迫る砂嘴の道は、キタキツネがたびたび横断するから気を抜けない。

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車で立ち入れる限界の、野付半島ネイチャーセンターに到着したのは15時を少し回ったころだった。分厚い雲に、陽射しの傾く時間帯とコンディションはよくない。しかし積み重なった偶然が、見たことのない幻想的な風景を作り出していた。

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原生花園の道を、トドワラへと歩こう。


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