遠野 落穂拾いの旅（2016/11/11～13）その4

2日目 遠野（3/3）

ここ土淵町山口は「遠野物語」の話者、佐々木喜善の出生地であり、また農村の景観を今に伝える国の「重要文化的景観」にも選定されている。

「神域」である山の入口に位置する集落には、山口川を挟んで2つの特徴的な史跡がある。その一つ「ダンノハナ」は、水車から少し坂を下った、小高い尾根状の地形を指す。「遠野物語」では、かつて囚人の処刑場だった土地で、今は共同墓地になっていると語られている。

そして今も、ここは集落を穏やかに見下ろす共同墓地となっていて、佐々木の墓もその中にある。

もう少しだけ坂を下って、三叉路を折れ山口川を渡る。ここに架かる高宝橋の親柱には「姨捨伝説」に基づいた像が埋め込まれており、さすがにこれはひどいと思う（笑　背後の崩れまくった護岸もひどいけれど、今夏の台風はこれほどまでに激しかったのだ。

親柱のモチーフとなった「デンデラ野」は、そこから丘を少し上った平場を指す。貧しい雪国の生活を守るため、60歳になると老人はこの地に移り、昼間は農作業を手伝いながら、夜は「あがりの家」と呼ばれる簡素な小屋で、ただただ人生の「あがり」を待ったという。

集落が「生」、ダンノハナを「死」の世界とすれば、ここはその中間と言えよう。ここ山口に限らず、このような土地は盆地の外縁部にいくつかあったらしい。

それにしても、ダンノハナにしてもデンデラ野にしても、そこから見渡す風景はすごく心を落ち着かせるんだよね。心霊スポットではなく、ピュアな心で訪ねたい風景だ。

さて、遠野駅まで約10km、「旅の蔵」閉店まで残り1時間。ここでついに、夕暮れに追い越されて行ったようだ。

帰りは下り基調ながら一様というわけではなく、さっそく小さな峠越えが待っていてげんなりする（笑　たかむろ水光園脇の急坂を爽快に駆け下りるも、その先は単調な国道バイパスが延々と続き、ほんとキツネに化かされたような気分だ（笑

往きにはなかった遠さを感じながら、「旅の蔵」到着は閉店10分前の16時50分ごろ。3時間ちょっとの利用時間だったけれど、「だいたい3時間」とおまけしてくれた。

駅近のショッピングセンター「とぴあ」で日用品を買ってから、17時過ぎにホテルへ。「don’t disturb」のドアには、タオルとアメニティーの入った紙袋が掛けてあって、一般的なことではあるけれど何か嬉しい。

18時から民話を聴きに、3階の「語り部ホール」へ。しかし今日は、「結婚を祝う会」の控室に使われているよう。お休みなのかなぁとあっさり引き下がったのは、たぶんとっても疲れていたから（笑　19時になって改めて、1階のレストラン「銀杏」へ下りる。

2日目のコースはとりあえず、盛岡の地酒「南部美人」から。

今日はお品書きがないので、昨日以上に淡々と画像を貼り付けていく…。

命名するなら、「秋色田舎御膳」と言った感じかな。

おかわりは遠野の地酒「国華の馨」、今日は熱々燗で2合。

お食事は炊き込みご飯に、普通のお味噌汁。

フルーツで柿っていうのは珍しく、そして気が利いている。

20時半ごろ部屋に戻って、今日は早めに大浴場へ。お風呂でぼんやりしていたら落ちてしまい、顔面から突っ込んだ件については内緒だ（笑　明日は寝坊できないので、昨夜の反省から早めに目覚ましをセットして…。

「とぴあ」で作ってしまったポイントカード。いくらでポイントがつくのかとか、全然書いてなくてわからないんだけど（笑　これが貯まるぐらい、通えたら素敵だけれどね。

タイムスケジュール（2日目）
9:00～9:30 朝食「銀杏」
10:00～10:25 宿泊先→鍋倉公園
10:55～11:30 鍋倉公園→程洞のコンセイサマ
11:55～12:05 程洞のコンセイサマ→五百羅漢
12:35～13:30 五百羅漢→旅の蔵
13:40～14:00 旅の蔵→追分の碑
14:05～14:10 追分の碑→五日市のキツネの関所
14:15～14:30 五日市のキツネの関所→カッパ淵
14:45～15:15 カッパ淵→大槌街道跡
15:15～15:30 大槌街道跡→山口の水車
15:35～15:40 山口の水車→ダンノハナ
15:45～15:50 ダンノハナ→デンデラ野
16:00～16:50 デンデラ野→旅の蔵
16:55～17:15 旅の蔵→宿泊先
19:00～20:15 夕食「銀杏」

次の記事

この旅の記録

遠野（デンデラ野）関連の過去記事

遠野（あえりあ遠野・夕食）関連の過去記事