岩手・遠野 普通の田舎の特別な旅(2014/12/29~2015/1/1)その4
3日目 遠野(1/2)
2014年最後の朝は、二度寝の末7時半に起床。9時ごろレストランへ下りて、洋食バイキングの朝食。もっちりとした岩泉ヨーグルトと、コーンポタージュがおいしくてついついおかわりしたりと、いろいろ食べすぎる(笑
連泊のため、のんびり11時前に外出。今朝はまま青空だけど、午後から天気は下り坂らしい。5月には桜まつりで賑わっていた駅前通り。わだちの上には昨夜降ったのであろう雪が、またうっすらと覆い重なっていた。
ホテル裏手の鍋倉公園へ。途中、南部神社までの石段は新しい足跡に踏み固められているが、そこから山上への道は見事なパウダースノーに覆われて…。さくさくと足跡をつけながら、道なき道を行く。
春には桜が咲き乱れるこの公園も、すっかり雪景色で訪れる人影もない。山上からは遠野駅を中心とした市街地、その向こうには早瀬川と真っ白に覆われた農村地帯を見渡せる。
寒さに身を寄せる…そんな言葉が遠野の町にぴったりだ。
こぴよの体重でも沈み込みほどのふわっふわの雪。撮影後こぴよを持ち上げると、お尻にいっぱい雪がついてくる(笑 雪だるまを作ろうとしたものの、丸めたそばから崩れていくような…。
下りの階段に難儀しつつ駐車場に戻り、未だ眠りにつくような街並みを西へと抜ける。
市街地から8kmほど離れた山あいにある「千葉家住宅」は、江戸時代後期の曲り家ながらつい最近まで現役の住居だったところ。山腹の石垣上にそびえる豪壮な姿は、およそ侘しい山村のイメージとはかけ離れている。
空家となった千葉家住宅は2013年6月に遠野市に移管され、現在は屋内の展示なども充実されているようだ。残念ながら年末年始は定休とのことで、あまり多くを語れないけれど…(笑
歴史のある母屋は「屋敷」と呼ぶにふさわしく、過去には25名の人と20頭の馬がこの中で暮らしていたという。居室は一部が2階建になるなど計8室が設けられ、上階の採光のため切り上げられた屋根に特徴がある。
敷地内には母屋を含め土蔵など5棟の建築が残り、また眼下に望む耕作地は全てが千葉氏の所有であったとも言われている。
千葉家住宅から山を下り、5月にも訪れた道の駅「遠野風の丘」へ。その途中、雪とこぴよのコラボ撮影のため、釜石線の綾織駅に立ち寄る。真っ白な田園風景に佇む小駅には、パーク&ライドと言っていいのか自転車が一台括り付けられていた。
ホームに積もったまっさらな雪の上で、這いつくばるようにして撮影した一枚(笑 色のない世界の中、こぴよの黄色がよく映える。
道の駅のレストラン「風車」にて、例によってちょっと早めだけど昼食にする。ちょうどシーズンということで、5月に食べ損ねた「暮坪かぶうどん」900円也をオーダー。大晦日らしくうどんに年越しそばまでついてくるという、嬉しいんだけどこれはなんだか不思議なコラボ(笑
うどんが冷めないうちに、暮坪かぶをせっせとすりおろす(笑
暮坪かぶは「幻のかぶ」「究極の薬味」とも言われ、遠野地方でも一部の農家しか栽培していないという。皮ごとすりおろすと大根に似た辛味があるが、その奥に漂う甘さや土くささが田舎らしい素朴感を演出する。
厚い雲の下を一旦市街地に引き返し、改めて遠野盆地の北西端に位置する「遠野ふるさと村」へ向かう。これまで体験学習施設というファミリー向けのイメージがあったものの、昨夜の語り部さんがずいぶんと宣伝するものだから、百聞は…で行ってみることにした。
道中空はますます怪しくなり、ついには雪が舞い始めた…。
がらがらの駐車場に車を止め、ビジターセンターで540円を支払って入村。
遠野ふるさと村は、遠野の昔ながらの山里を再現したまぁテーマパーク。村内には6軒の曲り家のほか数軒の家屋が移築されており、シーズンに予約すれば農作業などの体験学習ができる。最近では、映画やドラマの撮影にもよく使われているそうだ。
ビジターセンター周辺の林を抜けると、灰色の山々を借景に半ば雪に埋もれた家屋が散在する。入場門のいちばん近くにあるのが、「大工どん」と名付けられた明治中期築の曲り家。ここを起点として、遊歩道を時計回りに歩いてみようか。
江戸末期築の「川前別家」は、屋根と壁が明るい色でかわいらしい。それぞれの建物は靴を脱いで上がることもできるが、特段の展示物があるわけでもなく、でもそれがかえって懐かしい。
明治初期築の「大野どん」は上層農家の家。中には2頭の馬が飼われていて、最初イミテーションかと思って近づいたら動き出してびっくりした(笑
村にはちょうど飼育屋さんの軽トラが到着し、馬の食事が始まるところだった。
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