長瀞・宝登山 蝋梅と青空の旅(2015/2/11)

起床時刻と天候見合の旅行計画だったため、やや出遅れて10時40分ごろ東京駅へ。新幹線ホームに上がると、「たにがわ407号」ガーラ湯沢行きは入線済み。売店でお弁当を買って、スキー客で3割程度埋まったグリーン車に乗り込む。

埼玉行くのに新幹線っていうのも、なかなかないシチュエーション。

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10時56分発車。乗車時間も短いので、駅で買った「東京弁当」(1,650円)をさっそく開封する。本物の木のようなしっかりした折箱に、ぎっしり詰まった色とりどりの食材たち。お品書きはこんな感じ…。

今半の牛肉たけのこ(浅草今半)/魚久のキングサーモン粕漬け(人形町・魚久)/青木の玉子焼(築地・すし玉青木)/日本ばし大増の野菜のうま煮(日本ばし大増):里芋、こんにゃく、化粧人参、筍含せ、金平牛蒡、末広南瓜、はす、化粧牛蒡、絹さや/きのこの和え物菊花添え、蓮根のはさみ揚げ、和菓子、ご飯(秋田県あきたこまち)、カリカリ梅、しば漬け

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目玉食材があるわけではないけれど、老舗の味が一折で楽しめる贅沢な内容。味付けに品があってバランスが良く、粕漬けをはじめ素材の味が引き立つ絶妙な「調理加減」でとてもおいしい。のーんびり食べてたら、熊谷への到着案内が流れちょっと焦った(笑

11時34分熊谷着、ここで秩父鉄道に乗り換える。旧東急の電車にフルラッピングを施した「秩父ジオパークトレイン」で、関東平野を西に一路長瀞を目指す。

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寄居で関東平野のどん詰まりに達すると、そこからは荒川上流部に沿って曲がりくねった地方私鉄らしい風情に変わる。12時42分着の長瀞で下車。乗ってきた電車は、ここで石灰輸送の貨物列車を追い越していく。

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山間に佇む長瀞駅。木造のこぢんまりした好ましい駅舎は、1911年の開業当初からの歴史を持つ。今日は青空で気候もよく、駅前はたくさんのハイカーで賑わっている。

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駅から宝登山ロープウェイの乗り場まで、緩やかな坂道を15分ほど歩く。蝋梅のシーズンとあって、駅前から宝登山下の駐車場まで車の列がずらっと続く。路傍の松の木には、これから落ちてくるだろう松ぼっくりがたくさん生っている。

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辿り着いたロープウェイ山麓駅、しかし待っていたのはとぐろを巻いて続く入場待ちの列…。聞いたところロープウェイは「2時間待ち」、徒歩での登頂は「45分ほど」とのことだったので、ここは迷わず徒歩を選ぶ(笑

少し歩くと汗ばむような気持のいい陽気の中、ダートの道を上っていく。

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登山道はよく整備された林道状の道。ただ途中ぬかるみや凍結もあり、日陰には雪が残るなどなかなか油断はできない。道中ところどころで視界が開け、眼下に荒川沿いの集落を見渡すことができる。

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山頂下に設えられた動物園をパスし、階段を上り鳥居をくぐると、そこは宝登山神社の奥宮となっている。奥宮自体はそれほど大きくない祠だけど、木々に覆われ雰囲気はある。甘酒と味噌おでんの販売があり、ここは「花より団子」でしょとばかり…(笑

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朽ちかけたベンチに慎重に腰かけながら、澄んだ空気の中甘酒の暖かさにほっとする。

今日お目当ての蝋梅園は、この奥宮のすぐ隣に立地する。園内は西蝋梅園と東蝋梅園とに分かれ、例年日当たりのいい西園から先に開花する。今年は花が早かったそうで、西園は盛りを過ぎた一方、東園は今が満開だ。

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冬空に咲く、小さくて黄色い花たち。派手さはないけれど、寒さに抗う意志の強さみたいのを感じる。

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秩父の山々を背景にして。

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蝋梅園には、和蝋梅、素心、満月と、三品種の蝋梅が植えられている。とは言っても、遠景ではなかなか見分けられないんだけど…。

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こひつじも興味津津?

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人々は思い思いの時間を過ごす。そういう自分は、そろそろ下山の時刻かな。

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念のため覗いたロープウェイ山頂駅は、山麓駅ほどではないにせよ行列ができていた。まぁ上りが徒歩だったから、下りをロープウェイって選択もないけどね。ぬかるみに気を付けながら、30分ぐらいかけて山を下りる。

麓の宝登山神社に参拝して、ここからはなだらかな下り坂を長瀞駅方面へ。道すがらお茶屋の店先で蕎麦粉を使った鯛焼きを見つけ、ついつい買ってしまう「花より団子」病…。

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生地はかりかり中はふわふわ、あんこたっぷりのおいしい鯛焼き

駅で時刻表を確認してから、僅かな時間ながら長瀞渓谷まで往復してみることにする。駅右手の踏切を渡って、岩畳までは徒歩3分程度。東京近郊の近場なイメージがある長瀞だけど、何だかんだでもう10年も来ていない。

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長瀞渓谷は、北関東から四国まで続く三波川変成岩帯が地表面へと露出したところ。「ライン下り」の乗船場から上流にかけて、左岸に岩畳、右岸に切り立った「秩父赤壁」が続く。地質資料の宝庫とも呼ばれるが、今日の賑わいは観光地そのもの。

岩畳と駅とを結ぶ通りには飲食店や物産店が立ち並び、どこかしら井の頭池を彷彿とさせる。名物の蕎麦を出す店も多く、この通りで全ての用を足す観光客も多いみたいだ。

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長瀞から電車に乗って、御花畑駅到着は16時20分ごろ。窓口で「桜沢みなの」(あえて説明はしない)のクリアファイルが売られているのを見て、だいぶ悩んだ挙句に購入…(笑 武甲山に見守られながら、傾いた陽射しの中を西武秩父駅へと歩く。

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長瀞の賑わいのわりに、仲見世通りは思いのほかがらんとしていた。

ネット予約の特急券を受け取ってから、改札にほど近い「お食事処仲見世」にて早めの夕食とする。名物は特盛、メガ盛まで用意されたわらじかつ丼だけど、過去に胸焼けしたトラウマがあるため(笑)今日は「秩父定食」1,100円をオーダーする。

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秩父名産の豚肉みそ漬けを中心に、しゃくし菜と自家製けんちん汁とで固めた郷土御膳。味噌漬けは思いのほかさっぱりして、良く言えばクセがなくて食べやすいかな。意外にシイタケに肉厚感があって、これがほっこりしておいしかった。

相変わらず「あの花」に力を入れる仲見世通り、ギャラリーには秘密基地まで作っちゃって…(笑 販売してるグッズも豊富だけど、そろそろ続編がないと厳しいよな(笑

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最後に売店でお土産を選んでから、17時25分発「ちちぶ40号」に乗車。車内は3割程度の乗車率で、芝桜シーズンの満席が頭にあったから何だか肩透かし。長瀞秩父と寄居の中間ぐらいで、車利用も含め旅客が分散しているのかもしれない。

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秩父を出た電車は正丸峠を越え、闇の中を東京へと駆ける。例によって飯能で後ろ向きになりつつ、18時46分池袋に到着。ここから自宅まで、まだ1時間かかるんだよ…。

お土産はこのぐらい。秩父プリンは、9種ある中から桜と柚を。これ、案外日持ちするのでお土産にはいいと思う。東京駅の絵葉書は、「東京弁当」に入っていたもの。その下で微妙に見え隠れするのが、御花畑駅で買ったクリアファイル(笑

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青空に恵まれた祝日の、絵に描いたような「秩父さんぽ旅」でした。