函館・松前 過去と未来を紡ぐ旅(2015/5/15~19)その6

4日目 大沼公園(1/2)

7時半ごろ起床。窓の外はもう、期待した以上の青空。心配していた風も、木々の姿を見る限り穏やかそうだ。

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視点を右に移すと、中央にはくっと曲線を描く函館駅のホーム。その手前には朝市の建物群、左手には1997年に完成した函館湾岸大橋こと「ともえ大橋」と、そんな位置関係。

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9時前から東館1階「アゼリア」にて、洋食バイキングの朝食。王道の「洋食セット」のほか、海鮮丼用のイクラと明太子を失敬…。コーンスープは適度に濃厚なコーンの味わいがして、食べるたびにほんとおいしいなと思う。

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ここ以外に朝食は、日本料理「松前」での定食も選べるそう。「松前」という言葉には惹かれるけど、明日はどうしようかなぁ。とりあえずここの食事に、こぴよは満足顔だけど(笑

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部屋でのんびりして10時半前に外出。ホテルの窓から見下ろした函館朝市へ、呼び込みにつかまらないよう道を選んで接近する(笑

雑然とした市場の一角にあったカマボコ屋根の「渡島ドーム」は解体され、「函館朝市ひろば」に生まれ変わっていた。観光市場とフードコートを備えた清潔で落ち着いた施設で、呼び込みが煩わしい向きには気楽に朝市を体験できると思う(笑 いや、ほんとに。

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昼時が近づいた朝市は外国人観光客の姿が多く、呼び込みも「オニサン!」となぜだか片言調(笑 もはや「朝」でない朝市は、完全に観光施設に姿を変えるようだ。

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早々に朝市を抜けて、裏手の旧第二岸壁に係留されている「青函連絡船記念館摩周丸」へ。隣接してあった「函館シーポートプラザ」が2014年に解体されたため、あたりはすっかり見通しがよくなっていた。船内は一昨年見ているので、今日は眺めるだけで…。

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近くの岸壁上には、駅舎改築まで駅前にあった「大錨と主動輪」が移設されている。観光客の動線を考慮したんだろうけど、今は観光バスも素通りで何だかかわいそう。

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ともえ大橋の歩道に上って、5倍ズームで捕らえてみた函館元町。函館山の斜面上、右手やや上には旧函館区公会堂、その下には旧イギリス領事館も控えめに顔を出す。左手にあるはずの教会群は、ちょうどマンションに隠れてしまったかな。

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駐車場から車を出して、今日は函館新道を大沼方面へ。函館平野を抜け高度を上げると、沿道は緑の風景に変わっていく。渡島富士とも言われる駒ヶ岳が姿を現すと、大沼公園まではあとわずか。

特異な形状をした駒ヶ岳、馬がいななくような山容がその名の由来とも言われている。

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観光駐車場に車を入れ、16年ぶりの大沼公園駅へ。三角屋根のかわいらしい駅舎は相変わらずながら、駅前は観光地らしく綺麗に整備されていた。

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土産物店の並ぶ通りを抜け、遊覧船ターミナルのある大沼公園広場へ。駒ヶ岳を背景に多島美の大沼湖を概観できるビューポイントだけど、平日ながら観光バスの団体客が次々と現れ落ち着かない…。ただ、喧騒に煩わされるのはここまでだった。

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湖岸に整備された散策路のうち、まずは手軽な「大島の路」を選ぶ。大沼湖の景観を一通り楽しめる所要15分の体験コースだけど、これだけで人通りはずいぶんと減ってくる。

人の切れ間がないと、こんな写真撮れないでしょ(笑

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そして所要50分の「島巡りの路」に入ると、観光客の姿はもう数えるほどに。ここまで歩いてくるともう、広場の喧騒は「対岸の火事」としか思えない…。

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10余りの小橋で大沼南岸の小島を巡る「島巡りの道」は、道中至るところから駒ヶ岳を眺める本格的な森林浴コース。こんな道を、のんびり自分のペースで歩いていく。

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大沼国定公園は、渡島駒ヶ岳とその西麓にある大沼、小沼、じゅんさい沼を包括したエリアを言う。市街地から程よい距離でもあり、函館元町に在留する外国人をはじめ明治期よりリゾートとして拓けてきた。

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ランドマークたる駒ヶ岳は、今なお活動を続ける活火山。現在の山容は1840年の大噴火時に発生した山体崩壊によるものであり、大沼その他の湖沼は数万年前の噴火による堰止湖という。

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散策路は後半に近づくにつれ人の踏み跡も薄れ、場合によってはツツジ咲くケモノ道を蜘蛛の巣を払いながら歩くことに…。そういえば16年前は、雪があったためとはいえ最後は国道を歩いて帰ったような…(笑

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再び大沼公園広場に戻り、小沼湖畔の「夕日の小沼路」へ。小沼湖は駐車場を突っ切って、大沼湖とは国道と線路を渡った反対側にある。こちらはボート乗り場も土産物店もなく、釣り人が一人竿を垂れるばかりのしんみりとした雰囲気を漂わせる。

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散策路はしばらく「沼地」的な水面とともに深い緑に続くも、森を抜けると意外に広い水面が姿を現す。小沼とは言うけれど、面積で言えば大沼の3分の2を超える。

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時に大沼湖と同様、駒ヶ岳を背景に佇む小沼湖。あたりは野鳥の声と、たまに魚のライズする水音が聞こえるぐらいで…。そう思っているとディーゼル列車の爆音が響いたりとか、実はすぐ脇を線路が走っていたりする。

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普段から人通りも少ないのだろう、顔に絡みつく蜘蛛の巣が多すぎる(笑 散策路の橋は腐食が進んでいるものもあり、現在は「通行注意」ながらじきに通行止めになる気がしないでもない。

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2時間半ほどの散策を終え駐車場へ。大沼周辺の牛乳を使ったソフトだとか、名物大沼だんごだとか興味を引くものはあるけれど、いかんせん朝食を取りすぎなんだよなぁ…(笑 

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大沼公園を後に、函館新道を函館へと戻る。時刻はそろそろ15時。五稜郭公園を歩いて、夕暮れ時を見計らって函館山に登ろうか。


最後に16年前の写真から。1999年3月20日大沼公園、湖面も含めまだまだ雪景色。

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駅前が雑然としていた大沼公園駅。駅舎も屋根の色とか、多少の変化はあるみたい。

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