不時に舞う桜と吉野（2017/4/15～16）その2
1日目 東京→飛鳥・橿原（2/2）
入場料を支払いゲートをくぐると、そこは桜の額縁に綺麗に彩られた石舞台の姿。
7世紀初頭に築かれたらしいこの古墳は、聖徳太子とともに政治の中心となった、蘇我馬子の墓と推定されている。冠位十二階だとか十七条憲法だとか、名前しか知らないけれどそんな時代の話だ。
本来あるべき封土が失われているため、石積の棺室が露出する特異な景観となっている。
石室の中に埋葬品はなく、自由に立ち入ることができる。まぁそれでもお墓なので、いい気持ではないが…（笑 見上げる巨石は不安なほど小さな石でバランスを取られており、これが崩れ落ちたときの恐怖というのもリアルに感じてしまう。
石室を形作る花崗岩は、3キロ上流から水運で持って来られたものという。1950年代に復元作業が行われ、一部崩れていたものが往時の姿に戻された。
気まぐれな空はむずる子供のようで…。少しでも日が出た瞬間を狙って、こひつじを構えシャッターを切る。閉園の17時が近づいても追い出されることもなく、逆に施錠された扉に閉じ込められるところだった（笑
橿原神宮前まで少し距離はあるけれど、古を感じながらのんびり歩いていこう。
石舞台の周囲には観光客目当てのお店があるものの、17時を過ぎるとシャッターを下ろし、飛鳥の里は静けさを増す。一見不便とも思えるこの地に宮が置かれたのは、そもそも蘇我氏の根拠地であったほか、地形的な理由、宗教上の理由などがあったようだ。
道中、少し竹林に分け入ったところにある「酒船石」（さかふねいし）。大きな花崗岩の石造物で、酒を造る道具という推測からこの名がついているが、諸説あって固まっていない。自分としては、後世の人々に謎かけするために遊び心で置かれた説に一票だ（笑
最後に、橿原神宮前との間に横たわる甘樫丘に上る。「展望台まで200ｍ」とは書いてあったものの、雨中の上り階段はそれなりにきつい（笑 頂上が近づいたところで、突然に雨脚が強くなるし…。
中腹に蘇我氏の邸宅があったという甘樫丘。蛇行する飛鳥川の流れと、香具山、畝傍山、耳成山の大和三山に囲まれた旧藤原京を見渡せる。左手にあるのが畝傍山で、先ほど訪れた橿原神宮はその麓にある。周囲は桜が咲き、まぁ晴れてればねぇ…。
丘を下りると、そこからは時間との戦い。麓の県道を、2km程度離れた橿原神宮前駅へと急ぐ。田舎びた農村を曲がりくねって通じる県道も、次第に市街地へと飲み込まれていく。国道を渡って、駅東口が見えた時のこの安堵感たるや…（笑
ロッカーから荷物を拾い、駅近の「橿原ロイヤルホテル」チェックインは予定を回った18時25分ごろ。夕食が自動的に18時半にセットされているようで、「少し遅れてもいい」とは言われたものの焦る（笑 最低限の身支度だけ整えて、地下の「まほろば」へ。
とりあえず充実の日本酒メニューから、奈良の地酒「朱雀門」（822円）を熱燗でオーダー。今回は「彩り和食会席」プランということで、以下淡々と写真を貼るコーナー。
先付：金胡麻豆腐旨出汁
小鍋：牛肉若筍鍋
造り：海の恵み四種盛り
奈良県産「秋津穂」を使用した大吟醸「風の森」（1,200円）を冷やで。発泡感があって、喉越しはスパークリングワインそのもの。でも後味はやっぱり日本酒。
焼八寸：筍木の芽味噌田楽、柿の葉寿司、彩り盛り合わせ
揚物：稚鮎春野菜天婦羅、山椒塩
蓋物：うすい豆饅頭松前餡かけ
食事：ひじきとしらすの炊き込みご飯、香の物、赤出汁
水菓子：名物目玉焼き？
目玉焼きの正体は、メロンゼリーとココナッツミルク。
少し休んでから温泉へ。わりと規模の大きいホテルとあって、そこそこの混雑ぶりにゆっくりとは行かず。部屋に戻って何となくテレビを点けると、明日午前中は晴れるとか天気予報が喋っている。明日、吉野の桜が見たくて、ここまで来たので。
和室一名利用は広いなぁ。夜更かしせず24時過ぎには就寝、おやすみなさい。
タイムスケジュール（1日目）
9:50～12:23 東京→新大阪「のぞみ105号」
12:30～12:52 新大阪→天王寺（御堂筋線）
13:10～13:45 大阪阿部野橋→橿原神宮前（近鉄特急）
14:05～14:15 橿原神宮前駅→橿原神宮
15:10～15:20 橿原神宮→橿原神宮前駅
15:30～15:34 橿原神宮前→飛鳥（近鉄）
15:40～15:45 飛鳥駅→野口（明日香周遊バス）
15:45～15:50 野口バス停→亀石
15:55～16:00 亀石→橘寺
16:20～16:40 橘寺→石舞台古墳
17:00～17:30 石舞台古墳→酒船石
17:35～17:45 酒船石→甘樫丘
17:50～18:20 甘樫丘→橿原神宮前駅
18:20～18:25 橿原神宮前駅→橿原ロイヤルホテル
18:40～20:10 夕食「まほろば」
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