不時に舞う桜と吉野(2017/4/15~16)その3

2日目 橿原・吉野→東京(1/3)

6時ごろ起床。恐る恐るカーテンをめくると、薄雲がかかっているもこれは快晴の予感。

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7時半ごろ1階の「甘樫」へ。レストランは奥深く、和洋中そこそこバリエーションがある。結果、こんな風になるいつものパターン(笑 クロワッサンが小さかったのであと2~3個は行けたなぁというのが反省点。あと、スープとヨーグルトがない(見つからなかった)のが残念だった。

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8時過ぎにチェックアウト。橿原神宮前駅のロッカーに荷物を預け、吉野線のホームに上がると予想はしていたがラッシュの混雑っぷり。4両の急行列車に押し込められ、田園風景が広がる窓外を眺めながら吉野を目指す。

途中、吉野口を過ぎると概ね吉野川に沿って走る山岳区間。途中駅での交換待ちも多く、小さな女の子が気分悪くなって途中で降りたりだとか、かわいそうだったな。

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終点の吉野駅到着は9時22分。ホームに出ると、やはり先行きが不安になるこの人出(笑 それでも、背景の斜面に見える満開の桜には気分を高揚させられる。

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ホーム以上に大変な駅前の人波を掻き分けると、長蛇のロープウェイ乗り場を見て徒歩での山登りを覚悟する。とりあえずはこんな登山道を、前の人の踵を踏まないように(笑)一列縦隊になって進む。

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綴ら折れの登山道は、やがて見晴らしのいい車道に合流する。そこから谷側を見渡すと、既に先週満開となっていた下千本の桜が、折からの風に舞い飛んでいた。

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長期予報ではこの週末は雨だったけど、久々に日頃の行いの良さが出たというところか(笑

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吉野の桜は標高の低い方から順に、下千本、中千本、上千本、それに奥千本の4つの纏まりに分けられ、それぞれの開花時期は最大で10日ほどずれる。今日の訪問は二度とない、最高のタイミングだった。

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斜面そのものが萌えるようなこの感覚は、普段なかなか出会えないもの。

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谷底を見下ろすと、さっき降りた吉野駅がもうあんなに小さくなって。この駅は1928年、吉野鉄道の手により開業した。こうして眺めてみても、鉄道の限界まで線路を敷いた感が伝わってくる。

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ロープウェイ吉野山駅付近の車道は、山中各寺社への参道でもあり、飲食店やお土産物店が多く立ち並んでいる。葛餅や鮎の塩焼きなど食べ歩き系にも興味引かれるけれど、それよりも今日は水分補給が必要…。

吉野山には普通の住宅も多く、案外人口があったりもするのだ。

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道路は急な上り坂と平坦な足休めを繰り返しながら、尾根の中腹あたりに続いていく。しばらくすると正面に、金峯山寺の巨大な仁王門が立ちはだかるように現れる。

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金峯山寺修験道の総本山であり、その姿は山中の広い範囲から認められる。現在は仁王門の修理とあわせ特別御開帳が行われており、拝観料が1,000円に値上がっている。

その本堂(蔵王堂)は、東大寺大仏殿に次ぐ大型の木造古建築。内部には高さ7mにも及ぶ巨大な蔵王権現が3体安置され、まさに見上げるその姿に圧倒される。本堂一周およそ100m、拝観料1,000円を一瞬でも高いなぁと思った自分が恥ずかしい(笑

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金峯山寺の開祖ははっきりしないが、894年に聖宝という僧が再興したものという。蔵王堂正面の「四本桜」は、後醍醐天皇の第3皇子が吉野城落城寸前に最後の酒宴をしたところと言われている。

ここで、昨日の御朱印帳に今日最初の御朱印をいただく。

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蔵王堂を裏手から抜けてしばらく歩くと、続いて左手に吉水神社の鳥居が、境内からの眺望を喧伝する文言とともに(笑)現れる。神社へ向かう道は一旦下って、上るようになっていて、若干の疲労を感じ始めたこのタイミングではちょっといやらしい。

400円の拝観料を払い境内に入ると、まずそこにあるのは左手前に満開の中千本、右奥に満開を迎えつつある上千本という「一目千本」の眺め。まぁ確かに、喧伝するだけのことはあるかもしれず。

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吉水神社は、金峯山寺の僧坊だった吉水院にルーツを持つ小ぢんまりとした神社。現在では、2001年に不審火で焼失した勝手神社のご神体をあわせて祀っており、御朱印も自動的に2社分ということになる。御朱印帳を預け、参拝後に引き取るというスタイル。

この神社は源義経が弁慶らと身を隠したこと、後醍醐天皇の行宮であったこと、豊臣秀吉が花見の本陣とした等の歴史的逸話があり、故にこの書院というものもなかなか見応えがある。

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神社近くの駐車場に出店があったので、カップ入りの葛餅(350円)を買ってしばしの休憩。カップは小さく見えるけれど、中身がぎゅっと詰まっていてずっしり重い。駅からの上り坂も確かに効いたけど、とにかく今日は陽射しに体力を奪われる。

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吉野は葛の名産地。ゼリーのような滑らかさに、コシのある食感、口の中に広がる清涼感が、市井の葛餅と比べ特筆すべきところかな。そろそろ時刻は11時、いよいよ太陽さんが本領を発揮してきた…。


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