道東・道北 原点の旅(2007/8/23~26)その1

最近旅してないので…(笑

携帯カメラの画質が向上し、たくさんの写真を撮りながら周遊した自分にとって原点とも言える旅。こひつじが生まれる前なので、こひつじファンには本当に申し訳ない…(笑

1日目 東京→釧路

5時起き成功。6時半ごろ家を出て、品川から京急羽田空港到着は8時前。8時半羽田発JAL511は、少し遅れて8時25分からようやく搭乗が始まった。

イメージ 1

今日の座席は「クラスJ」。飛行機の場合どうしても座席が窮屈なのが嫌なんだけど、これならプラス1,000円の出費でそこから解放してくれる。コスパが抜群に高いだけ、人気があって予約が埋まるのも早い。

定刻の10時を少し遅れて千歳空港到着。駅レンタカーで車を借りて、ここから北海道を反時計回りに半周するドライブの旅が始まる。

イメージ 2

千歳から国道を南下、苫小牧の手前で日高方面へ左折し市街地を抜けると、沿道は次第に牧歌的な風景に変わる。日高道を富岡で下りて海岸線の国道に出ると、そこは大きなアップダウンを繰り返す草と海と空の道。

国道は海沿いの緩やかな丘陵地を、地形のままJR日高線と絡み合うように続いていく。

イメージ 3

今回は特に目的地も決めていなかったので、まずはサラブレッドのふるさととして耳に覚えのあった新冠駅へと立ち寄ってみる。

思いがけず三角屋根の瀟洒な駅舎が目を引く新冠駅だけど、ホームは簡素な構造の1本のみで、ここから一日数往復の汽車が発着している。新冠町の玄関口として周囲には人家も多いものの、昼下がりの時間帯、周囲は物音もなくひっそりとしている。

イメージ 4

空は相変わらずの曇天ながら、雲の切れ間からは青空が覗くようになってきた。

イメージ 5

道の駅サラブレッドロード新冠」は、駅裏手に歩いても5分程度でアクセスできる距離。JAの売店や音楽のレコードを収集した「レ・コード館」などを併設した複合施設で、その看板の上にもサラブレッドが天高く踊っている。

イメージ 6

13時を過ぎ、閉店近くで人影もまばらな「レストラン樹林」に入店。地域の名物「っぽいもの」(笑)と思い、レコード形の大きなチャーシューの乗った「レコードラーメン」をオーダー。他にご当地メニューがないのは残念だけど、ラーメン自体は普通においしい。

イメージ 7

ドライブは、ふだん聴かないCDを満喫するチャンスでもあったり。今日はちょっと懐かしめだけど、TM Networkはまた自分の原点。

イメージ 8

新冠町の南に隣接する、合併して「新ひだか町」となった旧静内町へ。静内は静内川に沿って平坦な牧草地が確保できることから、サラブレッドの産地として発展した。ほんの少し静内川を遡るだけでも、たくさんの牧場風景と出合うことができる。

イメージ 9

いよいよ青空が広がってきた。

イメージ 10

つい車を止めてしまうような景色が、そこら中に散らばっている。

イメージ 11

馬が草を食み、春には桜が咲き乱れる今でこそ豊かな風景。でも、ここまでには長い年月がかかったとのこと、明治初期に入植した人々は荒涼とした北の大地に何を思っただろう。そして今の静内の地を、どういう思いで見つめてるんだろう。

イメージ 12

再び海沿いの国道に戻って、さらに南の襟裳方面を目指す。信号待ちでふと前方のトラックに目をやると「競走馬輸送中」の文字、思いがけない出合いが何とも嬉しい。

イメージ 13

静内を抜けると地形はやや険しさを増し、日高本線の線路はこれを避け大きく山側に迂回する。引き続き海沿いを走る国道の右手には、今日は穏やかな太平洋が広がっている。

イメージ 14

日高山脈から流下する河川の河口部に立地するいくつかの集落を過ぎ、日高本線の終点となる様似駅へは16時前の到着。苫小牧から南下してきたこの線路は襟裳岬を回り帯広へ至る計画があったものの、夢叶わずここで打ち切りとなった。

イメージ 15

様似を過ぎると集落の間隔は次第に延びて、このえりも町中心部を最後にまとまった集落は終わりを告げる。

イメージ 16

襟裳岬までは、ここからさらに20分程度の道のり。一年中強風が吹きつけることで有名な襟裳岬、次第に車窓には低木の植生が目立って増えていく。夕暮れ時に近づいて、海に映る陽もだいぶ傾いてきた。

イメージ 17

灯台を中心にして、岬周辺はわりと開発されていた。

イメージ 18

襟裳岬は、北海道南部を分断する日高山脈が、太平洋に落ちていくところ。海へ消えていく山脈の残渣が、岬の延長線上に背びれのように続いている。

イメージ 19

周辺には漁業小屋のほか民宿の姿も散見される。遊歩道には島倉千代子や森進一の『襟裳岬』の歌碑も設置され、1997年に開設された観光施設「風の館」とあわせ、森進一が歌うほど「何もない」わけでもないようだ。

まぁあんまり観光開発されてるのも、好きではないんだけどね。

イメージ 20

襟裳岬的には、今日は穏やかな部類に入るんだろう。

イメージ 21

宿泊地までまだ遠いので、襟裳岬を後に日高半島東岸を帯広方面へ上る。このあたりは「百人浜」という長い砂浜が続いているが、周辺は過去に伐採と強風で草木が壊滅し「襟裳砂漠」と呼ばれたこともあったという。

不意に路上に生物の影を見つけ、路肩に寄せる間もなく車を止める。

イメージ 22

何か物欲しそうに車に近づく、痩せ細ったキタキツネ。観光シーズンが過ぎ去るとともに、エサの取り方を忘れた個体がこうやって飢えていく。かわいそうだなぁ。

えりも町庶野の集落を過ぎたあたりから、地形は切り立ち海岸沿いから平地が消えていく。この国道は通称「黄金道路」と呼ばれ、それはトンネルや覆工など「黄金を敷き詰められるほど莫大な工費がかかった」ためというから恐れ入る。

イメージ 23

ここはトンネルの新設など地図を見るたびに線形が変わる不思議な道路、そして今日もさらなる黄金の投入が続けられているようだ。

イメージ 24

そんな黄金の道を30分も走ると、突然平地が広がり視界が一気に開けてくる。そこは十勝平野の最南端に位置する、暮れなずむ広尾の町。

イメージ 25

帯広から南下してきた旧国鉄広尾線広尾駅は、十勝港に臨む町の中心部にあった。十勝内陸部の農産物輸送に貢献したこの路線も、赤字ローカル線として1987年に廃止されている。

旧駅舎内は広尾線関係の展示がなされている一方、バス待合室として使われる現役の施設であり、往時の姿を留めているのが嬉しい。

イメージ 26

時刻はついに18時を回った。まだここから100km以上離れた宿泊地、釧路を目指す。

海岸沿いの湿地帯を行く国道336号から、浦幌付近で38号「釧路国道」に合流する。道央から道東への幹線であるこの道、夜間は猛スピードのトラックが行き交いかなりこわい(笑 それに原野の中の直線路、多くの虫たちが衝突していくのもまた心苦しい…。

イメージ 27

釧路市街には21時ごろ到着。釧路プリンスホテルにチェックインした後、夕食を探しがてら少し外を歩いてみる。普通に暑い北海道の夏だけど、さすがに日が暮れると肌寒さを感じるな。それにしても、想定していた外食産業が一切ないんだよ、この街…(笑

そして選んだ最後の手段、「北海道産いくら」で今夜は手を打とう(笑

イメージ 28

24時過ぎに就寝。シーズン過ぎの北海道、やはり食いっぱぐれ対策は重要だなと。


タイムスケジュール(1日目)
8:30~10:00 羽田→千歳「JAL511便」
11:00~12:55 千歳空港→新冠
13:05 「道の駅サラブレッドロード新冠
13:10~13:30 昼食「樹林」
13:50 静内駅
13:55~14:50 静内
15:45 様似駅
16:25~16:55 襟裳岬
18:00~18:15 旧広尾駅
18:20~20:50 広尾→釧路
21:00 チェックイン「釧路プリンスホテル


次の記事


この旅の記録


日高地方関連の過去記事


広尾線関連の過去記事