坂戸 河津桜と高圧線(2017/3/5)

坂戸市のホームページを見ると、若葉駅から東武バス八幡団地行きか「さかっちワゴン」利用とのこと。しかし前者は1時間1本、後者に至っては1日4本という…(笑

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12時前に降り立った本川越駅前では、50年の歴史を持つイトーヨーカドーが解体されているところだった。駅で昼食の調達をと思った矢先、20分ごとのバスが目の前に到着。食いっぱぐれ覚悟で乗車して、公式とは違うルートで「すみよし桜の里」を目指す。

バスは週末で賑わう川越市街を抜けると、少しずつ乗客を減らしながら田園風景の中を走る。所要30分程度で、閑静な住宅団地が広がる終点八幡団地に到着する。

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たぶん初めて来た、埼玉県比企郡川島町。ここ八幡地区は1980年ごろから宅地化が進められた、当時よくあった郊外型ニュータウンのひとつと言える。普通にご飯食べるところもなさそうなので、とりあえず越辺川の堤防から周囲を観察することにする。

…と思ったものの、意外に河川敷が広くて何もわからない(笑

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グーグルマップを頼りに県道の橋をぐるっと回り、越辺川を渡ると坂戸市に入る。この「越辺」は「おっぺ」と読み、アイヌ語っぽい音だけれどもその由来ははっきりしないらしい。堤防を降りると小さな集落があり、農村らしい水の流れに梅の花が咲き誇っていた。

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集落はすぐに終わり、周囲は高圧鉄塔が立ち並ぶ田園地帯へと変わる。遮るもののない吹きっさらしを歩くことしばし、遠く正面に飯盛川の堤防と、その頭越しにうっすらピンク色のラインが見えてきた。八幡団地から40分、このルートは明らかに失敗だ(笑

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橋を渡り下流から覗いた河津桜の並木は、意外に遅く6分咲きと言ったところ。完全に終わっていた昨年と比べると駐車車両や観光客の姿はあるが、遠目に見えたほど大盛況でもない。静かに流れる飯森川に、林立する鉄塔がこの地のアイデンティティー。

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すみよしの桜並木は、2003年に地元の手で植えられた150本の苗木がはじまりと言う。4年後の2007年にはじめて花をつけてから、ちょうど今年で満10年を迎えた。

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長閑な風景の中で咲く花の姿は魅力的ではあるものの、泣き所は遊歩道から見ると逆光になってしまうこと。休耕田を利用した菖蒲園に下りて、何とか順光の一枚を撮影。6月になると、今度はここで菖蒲祭りが開かれる。

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こひつじと河津桜、また会えたね。

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シーズンの土曜日ということで、川沿いの一角では農協の婦人会やらによる出店が並んでいる。スタッフ10人に対し客0人だったりして、開店休業なのか閉店してるのか一瞬わからないんだけど…(笑 焼き鳥5本500円は高いし、たこ焼きは焼いてないし…。

具の溶け切ったすいとん(200円)と、なかなか餡に到達しない今川焼(130円)を購入。

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どこを見ても鉄塔だらけの、この地の風景。これは東電の新坂戸変電所が近くに立地し、会津山中の田子倉ダムから通じる只見幹線を中心に高圧線が集まっているため。それが見通しのよい地形と相まって、巨人がチェスをするかのような景観を作り出している。

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日が傾くにつれ、風が肌寒く感じるようになってきた。そろそろ撤収の時刻かね。

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帰路は素直に、若葉駅まで60分弱の道のりを歩く。道中には1995年に開廟した台湾のお寺「聖天宮」があるんだけど、豪華絢爛で見た目テーマパーク臭がするので食指が動かない。それにしても地図や案内板が少なく、歩行者に冷たい街・坂戸。

「小」「中」「公」とか、固有名詞書いてくれないとわかんないでしょ(笑

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道中マクドに立ち寄りつつ、ニュータウン臭漂う若葉駅到着は16時過ぎ。この駅も1979年開業と、冒頭の八幡団地と時期が符合する。高度経済成長からオイルショックを経て安定成長に移行するこの時期、郊外では公団住宅の不人気の一方で戸建住宅の開発が進んだ。

まぁ話が逸れるからアレだけど、知らない町を歩くといろいろ思うところがあるのだ。

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公共交通機関が不便な故、鄙びた風情が守られている感もある「すみよし桜の里」。はてさて来年は、どういうアプローチを試してみようかな。


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