道東 台風と秋の旅(2018/9/27~30)その1

1日目 東京→根室(1/2)

久しぶりすぎて飛行機の乗り方忘れちゃったよ。

日本列島に台風が近づく中、8時半ごろ家を出て、品川から京急羽田空港到着は10時半ごろ。1時間も余裕を持った空港入りは珍しいけれど、案内表示を見上げると機材繰りでさらに20分遅延とのこと。

イメージ 1

セルフカウンターで荷物を預けてから、プレミアムクラスで利用できるANAのラウンジへ。何もかもQRコードで管理されていて、平静を装って通過するのも骨が折れる(笑 今日は車の運転をするので、ドリンクは健康的に。

イメージ 2

10分前に搭乗口に出ると、ほどなく優先搭乗が始まった。釧路行きANA741便は、変更の11:45分発からさらに数分遅延して、そろそろとターミナルを離れていく。今回、行先を道東に決めたのは、釧路便のプレミアムクラスが安かったからというのもひとつの理由。

やがて飛行機は鈍色の空へと舞いあがり、厚い雲と格闘し青空へと抜ける。

イメージ 3

機体が安定したところで、客席前方から昼食のサービスが始まる。当たり前だけど、いつも晴れてる雲の上の食事って素晴らしい。季節感あふれる、本日のメニューはこちら。今日は味噌汁がコンソメスープに変更だと。

厚焼き玉子/銀鮭の焼き浸し 野菜餡掛け/鶏の塩焼き、いちょう蒲鉾/ほうれん草胡麻浸し、海老/ベーコンチーズ焼き/海老くわいちぎり/一口焼き芋/柚子大根
姫高野、里芋、人参/ピリ辛蒟蒻、隠元/牛蒡と揚げの五穀ご飯

イメージ 4

思いのほかベルト着用サインが早く点灯し、ちょっと急ぎめで食べることになったのは残念。飛行機は再び雲をくぐると、13時15分、曇り空の釧路空港に到着する。

イメージ 5

ニッポンレンタカーの窓口を訪れ、そこから車で旭川空港営業所へ。予約したタイプと違う車をあてがわれるのは北海道あるあるだけど、ハイブリッドカーとか一切触れたことないし(笑 簡単なティーチングだけあって、不安を抱えながらの出発。

空港を出ると、すぐに牧場が広がる北海道らしい風景。たびたび車を止めたくなるんだけど、あまりやり過ぎると行程に響いてくる。

イメージ 6

20分ほどで、釧路市湿原展望台へ。北海道の旅はいつもドライブ中心だけど、今回はある程度、スポットの目星をつけてきた。

丸い建物の内部は、いろんな意味で行政的というか…。1階に売店と食堂、2階以上が有料展示になっている。高いなぁと思いながら470円を支払い入場すると、展示は案の定のひからび感…。行政の展示施設は各地で見てきてるけど、わかりやすく二分化してると思う。

イメージ 7

釧路湿原は4度目ながら、未だ楽しみ方を見出していない(笑 その広大さゆえ、とてもファインダーに収めきれないことが一因としてあるのだが。

展望台の足元はハイマツの林になっているが、その中を総延長2.5kmの散策路が伸びていて、途中の「サテライト展望台」からは湿地帯がもっと近く見えはするらしい。パンフレットを見る限り、そちらもハイマツ化が進んでいるようだけど。

イメージ 8

再び車で少し上がると、道は釧路市から鶴居村に入る。案内に従い駐車場に入り、奥の木道を数分降りると、木とガラスの意匠が印象的な恩根内ビジターセンターが現れる。この建物の左手から湿原内へと伸びる、木製の散策路がお目当てだ。

イメージ 9

館内の見学はそこそこに、表に出て木道へと降りる。施設の周辺は木々に覆われているが、歩き出すと次第に風景が開け、ヨシやスゲが一面に広がる平地へと変わってくる。はじめて地表レベルから見た釧路湿原…やっぱり何もない(笑

イメージ 10

ぼっとしていると一面の草原だけど、木道の陰を覗き込むと、足元には満々と水がたたえられている。中には「ヤチマナコ」という壺状の深い穴が形成されているところもあり、自然環境保護云々以前に普通に危ない。

イメージ 11

北海道に湿原が多いのは、沼地に茂ったヨシやスゲが、冷涼多湿な気候により泥炭化されることによる。数千万年に渡る海水位の変動をはじめとする自然環境の変化が、広大で広陵とした景観を作り出した。そして今はその自然の力で、陸地化が進み始めている。

イメージ 12

展望台から眺めるだけじゃわからなかった。この草原が全部泥沼だと考えると、恐ろしいという気持ちも涌く。

イメージ 13

木道には大回りと小回りのルートがあるが、多くの人は入口付近で折り返すか、せいぜい小回りで済ますのだろう。進むにつれ荒れてくるのは、旅先で幾度も経験したとおり。キリタンポのようなガマの穂が増えてくると、道は次第に陸へと戻っていく。

イメージ 14

「上陸」したそこには、ひとつの案内板が。北海道の歴史の中では、開拓を目的とした簡易な軌道が各地に敷かれてきた。今立っているここは、根室本線新富士駅から北へ伸びる、1929年に開通した鶴居村営軌道の軌道敷という。

イメージ 15

旅客輸送のほか牛乳の出荷、郵便物の輸送により活況を呈した時代もあったというが、並行道路の整備により1968年に廃止された。それから50年が経過し、現地にその名残を見つけるのは難しい。北海道の開拓の歴史っていうのは、聞くだになんか重い。

イメージ 16

平日ともあって木道上では誰に会うこともなく、一周1時間ちょっとで探索を終え駐車場に戻る。時刻は16時前ながら、曇り空のうえ夕暮れの早い道東の空。確実に近づく「活動限界」に抗うように、ちょっと先を急ごうか。

イメージ 17

シカ飛び出し注意。


次の記事


この旅の記録


釧路湿原関連の過去記事