東北 記録と記憶の旅(2013/5/2~6)その3

3日目 北上→松島

毎度楽しみなホテルの朝食バイキングだけど、時間が遅かったからか、あんまり品揃えがなく不完全燃焼(笑 ソーセージ、ハム、スクランブルエッグ、クロワッサン、サラダあたりがあれば至福なんだけど(笑

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10時前チェックアウト。昨日の反省もあって、今日は北上駅で夕食用の「南部いなか御膳」を買っておく。夜までには賞味期限が切れちゃうんだけど、まぁ涼しいし大丈夫だろう(笑 地の味覚がぎっしり詰まった駅弁は多少高くても好き。

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北上は「さくらまつり」の真最中。ホテルの窓から見えた北上川沿いに出ようとするものの、駐車場待ちの大渋滞と暴風のため諦める。でも道沿いにもけっこう桜が多く、さすがにピークは過ぎているけど、こんな時期にまた花が見れるなんてね。米どころの風景も、日本人の心にとっても響く。

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昨日来た道を戻るように、釜石方面に向かう。途中、民話の里・遠野で一休み。遠野を訪れるのは2回目、8年ぶりになる。

遠野は、岩手の山中に奇跡的に開けた小さな盆地に広がる町。河童や座敷童子など子供にまつわる民話が多いのは、かつての貧しさと無縁ではあるまい。旧き良き時代の風情を色濃く残す遠野の町、山々を背景に昭和を感じさせる町並みを歩くだけで楽しい。

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猿ヶ石河畔に咲く桜を眺めながら、こじんまりと観光開発されている「とおの昔話村」へ。8年前はここで地震に遭い、新幹線が止まって旅行が1日延びたのだ。おかげで地元の居酒屋に行ったりとか、何気ない時間を過ごすことができた。

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今回の遠野滞在は1時間弱、目的があって釜石に向かう。それにしても、難所仙人峠を貫く道路とか、昨日の海岸沿いの道路とか、長大トンネルを擁した高規格道路の充実ぶりには目を見張る。これはもう、鉄道が衰退するのも仕方ないし、それが政治という「選択」の結果だ。

8年前に釜石に来た時、地の魚を食べようと「竹寿司」という店に入った。震災で竹寿司のあった釜石湾近くの繁華街は荒地と化してしまったが、竹寿司が仮設店舗で営業していることをネットで知って、今回是非とも訪ねてみたかったのだ。

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竹寿司の仮設店舗は釜石駅近くの「はまゆり飲食店街」にあった。たぶん8年前と同じく、特上3000円也をいただく。脂の乗ったトロをはじめ、ウニ、貝、エビすべておいしい。もう以前がどうだったかは憶えていないが、とにかく末永くがんばってほしいと思った。

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駅周辺を歩く。駅横の「シープラザ釜石」で、ミネラルウォーター「仙人秘水」と、「仙人秘水」を使用した遠野ビールを購入。地元?ボーカリストのステージを見たりして、思いのほか長居をしてしまった。

釜石をあとに三陸海岸を南下、50kmほど走って陸前高田に到着する。震災後、高田松原に残った「奇跡の一本松」で話題になったが、その後一本松の保存に係る経費1.5億円でさらに話題になってしまった。まぁ今では、更地が広がるばかりだが。

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陸前高田市の復興計画では「松原の再生」が明記されているが、計画図では他の自治体と比べ道路整備に力点が置かれているようにも見える。その一方で鉄道の描き方は非常にアバウトであり、廃止も議論される山田線の微妙な立場が見え隠れする。

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海岸沿いをさらに南下する。それにしても、南三陸はその地形ゆえ、隣の町へ移動するには必ず尾根越えが伴う。その尾根を越えるたびに現れる町々が、ことごとく津波にさらわれている光景はどうだろう?

道の駅「大谷海岸」は仮店舗で営業していたが、その裏手にあった「日本一海水浴場に近い」大谷海岸駅はガレキとなっていた。かつて護岸の外には砂浜が広がっていたが、今では線路のすぐ隣まで海が押し寄せている。

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ホーム上に転がっていたのは、その砂浜が描かれた案内板…。

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日も傾いてきたため、今日の宿泊地、松島海岸へ。途中、夕景の北上川親水公園でしばし川面を眺める。北上川岩手県北部を水源に、盛岡市北上市、ここ登米市などを流れ、石巻湾に注いでいる。東北の旅は、必ずそばに北上川がある。

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19時半ごろ、「松島センチュリーホテル」着。ちょうど花火大会が始まるというので、外に出て震えながら見物。わずか15分の水中花火だけど、「復興ありがとう花火」ということで、素朴な感じが逆に伝わるのかもしれない。

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部屋に戻って、北上駅で買った「南部いなか御膳」にて夕食。岩手県産の食材にこだわった、このすばらしいメニューをご覧あれ!

ねぎ入り玉子焼き、三陸産鮭の西京焼き、岩手昔豆腐の田楽、岩手産とりのつくね、岩手産とりの照焼き、三陸産結び昆布、ほうれん草となめこのおひたし、岩手和牛煮、煮物(一口鰊、山菜、椎茸)、香の物、ごはん(岩手県産「ひとめぼれ」)

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見た目は地味な感じだけど、東北の料理らしく味付けはわりと濃ゆかった。

23時過ぎに温泉へ。湿疹の薬を忘れてきたため、ちょっと手足がボロボロでつらいかも…。いつでも何でも手に入る東京は便利だなーと思いつつ、それでも最近、地方都市の魅力を感じてきたりもしつつ…。

人生っていうのは、本当にタイミングだ。


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