滋賀・富山・新潟 日本一海に近い駅+α(2013/1/11~13)その3(終)

3日目 富山→東京

ゆっくりめで起床、やっぱり風邪ひいてる…。朝食は楽しみな洋食バイキング。それに加え富山名物「ますのすし」もちゃんと置いてあったり、オムレツはちゃんと目の前で焼いてくれたりと、温泉も含めこのホテルのコスパはかなり良いと思う。

イメージ 1

10時半ごろチェックアウト。とりあえず、ホテルの近くの富山城公園を歩いてみる。富山城の天守は、1954年に再建された鉄筋コンクリート建築。ここの場合史実に基づいた保存というより、公園としての機能に重きを置いている感じかな。

それでも、神通川から水を引き込んだ堀はほかの城と比べて広く、湖のような水面に浮かぶ「浮城」の風情は十分に感じられる。水色の空と、真っ白に積もった雪とのコントラストも美しい。

イメージ 2

富山城公園脇の電停から、「セントラム」に乗って富山駅へ。全国に路面電車復権の機運を高めた富山の路面電車だけど、市街地の集積や道路の利用状況、市民のニーズが運良く合致した事例であって、単なる真似は成功しないと思う。

イメージ 3

14時過ぎの電車まで時間があるので、いったん富山駅に寄って荷物を預ける。構内に薬屋さんあるね…。富山と言えば薬売りだけど、風邪に効く薬はあるのかな? この駅も新幹線乗入れに伴って、大きく変わるだろう。

富山駅を北口に抜け、駅すぐの「富岩運河環水公園」へ。旧運河の船だまりを整備した親水公園で、都市計画のシンボルとして位置付けられている。川や運河に囲まれた富山市の地図は、遠目で眺めるとかつての水の流れが見えてきて面白い。

イメージ 4

公園は計画した時代が良かったのか、閘門を模したと思われる展望塔などわりと贅沢なつくり。園内を一望できるガラス張りのスタバをはじめ、人々が足を運ぶ施設整備はあたっているが、運河の歴史を生かした何かがあればなおよかったと思う。

14時前に富山駅へ戻る。今日は成人式があったようで、まぁ駅前にはすごい人や車が集まっていたよ…。お昼はお弁当も食傷気味なのでどうしようかなと思ったけれど、せっかくなので富山名物「ますのすし」を購入。

イメージ 5

14時16分発「北越5号」新潟行きに乗車。雪の影響もあるだろう外装は汚れが目立つが、車内はリさすがにニューアルされ綺麗になっていた。空いた車内で「ますのすし」をいただきながら、窓外に広がる真っ白な穀倉地帯を眺める。

富山平野を抜けると、線路は日本海沿いのわずかな平場を走るようになる。日本アルプスが断崖絶壁で海に落ちる「親不知」「子不知」をはじめ、海岸の地形は険しく厳しい。今では線形改良も進んでいるが、その昔はさぞ絶景な旅路だったことだろう。

イメージ 6

柿崎という小さな駅で、普通電車に乗り換える。あまり見なくなったボックスシートの古い電車。ボックスシートは空いてるといいんだけど、変に相席になると気まずいんだよな(笑 目的地の青海川着は16時1分、ほかに降車客はいなかった。

イメージ 7

青海川は、「海にいちばん近い駅」と言われる。以前やっていたバンドに「鉄子」がいて、この駅のことを教えてもらった。確かに、護岸と駅ホームは一体化しており、冬場はホームが波に洗われることも少なくないだろう。

イメージ 8

日没の時間を狙ってきたものの、いつの間にか天気は泣き出しそうな曇り空。まぁ、冬場の日本海だから期待はしていなかったけれど…。次の電車まで1時間ほどあるので、駅前の小さな集落を歩いてみることにする。

日本海岸に刻まれた、深い谷間に肩を寄せ合う青海川の集落。谷の深さゆえ遥か頭上を国道の真っ赤な橋梁と、さらに奥を北陸自動車道が越えていく。その中で、波の音だけが響く集落は時が止まったよう…。

イメージ 9

急斜面を上った青海神社からは、駅と集落が一望できる。何を生業とする集落なのだろう、どこへ行くにも国道まではヘアピンを上るしかない。海岸沿いに信越本線旧線の路盤があり、右手には旧トンネルも残っている。

イメージ 10


電車の時刻が気になってきたため、小雨の中を駅へと戻る。青海川駅は2007年の新潟県中越沖地震で斜面の崩落に直撃する被害に遭った。その復旧の際、駅舎などの施設は更新されたものの、被災を免れた古びた跨線橋は往時の幹線の面影を残していた。

イメージ 11

16時55分発の長岡行きに乗車。線路は2つ先の柏崎から日本海と別れ、峠越えのルートで長岡に向かう。日本海沿いはそうでもなかったが、新潟平野に入ると車窓は次第に深い雪景色に変わっていく。17時46分長岡着。

長岡駅ではお土産に「安田牛乳チーズケーキ」と、夕食の「牛めし」を購入。(牛めし多いな…) それから喫茶店に入って、放課後ティータイム。なんか青海川が寂しかったからか、喫茶店の俗な雰囲気にほっとするよ…。

イメージ 12

18時38分発「Maxとき344号」は、「スイカのペンギン」のラッピングがされたかわいい電車でやって来た。相変わらず、越後湯沢まではガラガラの上越新幹線。いわゆる「表裏日本」を結ぶ大幹線としては、いささか勿体無い利用状況だわな。

東京到着は20時12分。京浜東北線に乗り換えて21時前に帰宅する。夕食はもちろん長岡の「牛めし」と地ビールで(笑 日本全国牛肉のお弁当が多い中で、長岡のそれは、牛肉の旨煮と、ご飯の間に挟まれたきんぴらごぼうが出色の逸品でした。

イメージ 13

北陸→山陰→東北と回った「こひつじの旅」三部作はこれでおしまい。改めて眺めてみると、あんま「北陸」じゃなかったなぁ(苦笑 ブログ開設の初期の目的は果たしたけど、読んでくれる人がいる限りは続けようかな。


この旅の記録